目次
会社を起業するには
一緒に起業するチームの団結力が重要
起業するのに大切なのはチームワーク。一緒に起業するチームの団結力がビジネスの結果を左右する重要なポイントです。ビジネスを成功させるためには優秀な人材を集めることが大切。しかし優秀な人材を集めたのにビジネスがうまくいかないというのはよくあることです。
優秀な人材がたくさんいると個人の力に頼ってしまって信頼関係を築けず、団結力がないチームになってしまったことがビジネスがうまくいかない1つの要因だと考えられます。団結力がないチームは信頼関係を構築できず、ビジネスにも悪影響を及ぼします。
団結力を高めるコツ
最近ではPC画面を通じて会話をする会社もありますが、しっかりと目を見て会話をするということも信頼関係を構築するコツ。そうすることで話しやすい雰囲気を作ることができ、信頼関係へとつながります。
そういった小さいことの積み重ねが団結力を高めるポイントです。優秀な人材の力に頼ることももちろん大切ですが、上司も部下も立場は関係なくお互いを尊重しあい、信頼関係を構築していきましょう。
一貫した価値基準を持ち続ける
起業をするということは、会社内のリーダーになるということです。リーダーは一貫した価値基準を持ち続けていないと会社という組織を導いていくことはできません。まずは自分の価値基準を明確にし、それを周りに伝えて組織を引っ張っていきましょう。
激しく移り変わる現代社会の流れにより、発言が変わることはあるかもしれません。しかし根底にある価値基準は確固たるものでありましょう。価値基準にブレが出るようなリーダーは信頼できません。部下からの信頼も顧客も失う結果になってしまうので、一貫した価値基準をブレずに持ち続けましょう。
資金調達先を複数確保する
起業するためにはお金がたくさんかかるので、貯金だけでは難しいことが多いでしょう。そうなると資金調達が必要です。一般的には、資金調達先は複数確保したほうがリスクが分散されるのでいいといわれています。
資金を調達する方法
☑ 1.出資(自己資金、社員持株会、他企業からの出資受入、ベンチャーキャピタルなど)
☑ 2.個人借入(消費者金融、親族から借入など)
☑ 3.融資(銀行、信用金庫、制度融資、日本政策金融公庫の公庫融資、マル経融資など)
☑ 4.補助金・助成金(経済産業省、厚生労働省、地方自治体、公益団体や民間企業など)
☑ 5.クラウドファンディング
それぞれの方法に利用するメリットとデメリットがあるということも、資金調達先を複数にした方がいい理由です。
資金調達を増やすコツ
☑ 1.仕入れ先と有利な条件で交渉する。
☑ 2.売掛金の早期入金の交渉をする。
☑ 3.商品やサービスの前払金を顧客に支払ってもらう。
☑ 4.必要のない資産(ゴルフ会員権、有給不動産、WEBサイトなど)を売却する。
資金調達に困ったら、これらの手段を利用して資金調達を増やすこともできます。決して無謀なことはせず、まずは補助金や助成金が利用できないか、融資で何とかできないかを優先させてください。
良い右腕がいること
起業を成功させるためには、いい右腕がいるということがポイントになってきます。自分だけの考えに固執した結果、事業に失敗するというケースは多いです。共に考えながら良い方向性へと事業を動かしくれるパートナーとなる右腕を見つけましょう。
良い右腕となるパートナーを見つけるためには妥協してはいけません。人材は最も高い投資なので、妥協することなく最高の人材を採用しましょう。
法律を理解していること
起業をするとなると、法律に関する知識も必要になります。ビジネスで必要な法律はあまりにもたくさんあり、すべてを覚えるのは難しいでしょう。しかし最低限必要な法律は把握しておくことが大切です。
会社法
会社法とは、会社形態、最低資本金制度、会社の機関設計などについての法律です。会社形態については個人事業、株式会社、合同会社、有限責任事業組合などの新しい会社形態についても勉強しておくといいでしょう。
最低資本金制度も昔と今とではずいぶん変わりました。株式会社の場合、以前は1,000万円が必要でしたが、今は1円でもできます。
会社の機関設計については、代表取締役とは、常務取締役とは、取締役会とは、監査役とはなどということも熟知しておくようにしましょう。会社分割や合併についてなど、知っておいた方がいい知識はいろいろあります。
税法(青色申告制度)
個人事業主であれば青色申告制度の勉強をしておきましょう。税金の申告方法のことです。
必要な書類や控除対象など、税法については深い知識が必要になります。必要最低限の知識は頭に入れておき、実際は税理士さんなど税金の専門家に相談しながら進めていった方が安心です。
労働基準法、労働法令
労働条件である労働時間、賃金、休日などの最低基準を定めた法律のことです。ブラック企業にならないためにも知っておかなければいけない大切な法律です。
有給休暇の付与について、残業代について、就業規則についてはしっかりと把握しておくといいでしょう。
知的財産権(特許法など)
特殊な商品や方法を発明もしくは生み出した場合に知っておいた方がいい法律です。模倣を防ぐため、参入障害を築くためになります。
例えば、ベンチャー企業が新しい革新的なものを生み出すと、大手企業が一気に参入してくることがあるので、商品を保護するために特許に関しては最低限理解しておくといいでしょう。特許と似たような法律で、実用新案権、意匠権、商標権などもあります。
民法
取引に関することで必要な法律といえば、基本的には民法です。例えば契約の成立、契約を違反した時の損害賠償、法定利率など、いろいろあります。
民法も深い知識が必要となるので、起業前に法律の専門家に相談しましょう。
中小企業基本法
中小企業に関する施策についての法律です。基本理念、基本方針、国や地方公共団体の責務を明らかにすることなどの内容となっています。
まだ他にも必要な法律はたくさんあるので、法律に詳しい専門家に相談しながら進めていくと安心です。法律の専門家に頼りつつ、自分でも法律の知識を学んでおくようにしましょう。
その他
あとは事業分野によっても必要な法律は異なります。例えばリサイクルショップなら古物営業法、飲食店であれば食品衛生法についても勉強しておきましょう。
起業するために必要なスキル
クライアントを獲得する営業力
ビジネスを成功させるためには、クライアントや顧客を獲得することが必須です。ほとんどの起業家がクライアントや顧客の獲得に苦労しています。クライアントや顧客を獲得するためには営業力を身につけるということがポイントです。
会社員時代に営業成績が良かったという方でも、起業した自分の会社の営業はうまくいかないということがあります。会社員時代は会社の看板が力になり、営業がうまくいきやすかったのかもしれません。しかし起業した会社は看板に頼れないのでゼロからのスタートです。起業する前にクライアントや顧客獲得のために必要なことを勉強し、営業力のスキルを磨いておきましょう。
会社の運営をしていく企画力
会社の運営をしていくリーダーには、常に企画力が求められます。会社を取り巻く環境の変化などを敏感に察知し、新しい方向に動かすための企画力を発揮できることが会社運営を成功させるポイントです。
会社が困難な問題に直面した時も、企画力が問題を解決してくれます。企画力を発揮するためには考え抜くことが大切。仕事に関することでも部下に関することでも、問題に直面したらそのことについて考え抜き、問題を解決して未来を創造していきましょう。
しっかり伝えるコミュニケーション能力
自分の考えや自社の商品についてなどをしっかり伝えるコミュニケーション能力も起業を成功させるために大切なことです。起業前にコミュニケーション能力を高めるための勉強もしておくといいでしょう。
必要なコミュニケーション能力
☑ 1.書く能力
☑ 2.話す能力
書く能力が必要な理由は、会社の情報発信で利用するホームページやブログなどで会社や商品をうまくアピールできるようにするため。あとはクライアントの心に響く企画書や提案書を上手に書けるようにするためです。
話す能力は、商品をプレゼンをするときにも役立ちますし、人間関係を良好にしたり部下のモチベーションを上げるためにも役立ちます。自分の考えを相手にわかりやすく伝えるために大切な能力です。
やり遂げる集中力
起業するためには目標を定め、その目標に向かって最後までやり遂げる集中力が必要です。中途半端にしてしまうことはよくありません。目標を決めたら最後までやり遂げましょう。
特に起業したばかりの頃は焦って集中力が途切れてしまいがちです。集中力を高めるためには、リラックスできる音楽を聞いたり、脳に刺激を与える食べ物を食べたり、時には仕事を忘れて気分転換をするのもいいでしょう。
常にアンテナをはる好奇心
起業の成功者は常にアンテナをはる好奇心と探求心を持った人が多いです。新しい発見のヒントは好奇心によってうまれ、そしてそれを探求し続けことでビジネスの成功につながる革新的なものを生み出せます。
起業前であっても、常にアンテナをはる好奇心を持つようにしましょう。そしてその好奇心によって見つけたヒントを発展させるための探求心も忘れずに持っておくことが大切です。
起業するための書類手続き
損しないためにやるべき確定申告
個人事業主は、所得と税額を税務署に申し出る「確定申告」を行います。売り上げや経費などを計算して確定申告書に記録して正確に申告しなければいけません。ちなみに「収入-経費=所得」です。
確定申告書の提出には期限があるので注意しましょう。個人事業を新規で始めた場合は、開業日から2カ月以内が提出期限です。個人事業主の確定申告には白色申告と青色申告とがありますが、個人事業を新規で始めた場合と、元々事業をしていて白色から青色へと切り替える場合とでは期限日が異なります。
個人事業主が納める税金(確定申告が必要なもの)
☑ 1.所得税
☑ 2.消費税
☑ 3.復興特別所得税
確定申告は必用ないものの、住民税、国民健康保険税、事業税も個人事業主が納める税金です。これらは所得税を申告すると都道府県や市町村から納付額の通知がくるので、確定申告をする必要はありません。
確定申告をするときに、社会保険料や生命保険料などを払った証明書を添付すると控除を受けることができます。損をしないためにも確定申告をやるべきです。
主な控除対象
☑ 1.社会保険料
☑ 2.生命保険料
☑ 3.小規模企業共済等掛金
☑ 4.医療費
☑ 5.地震保険料
☑ 6.雑損
☑ 7.寄付金
控除をきちんと受けるためには、証明書をきちんと保管しておくことが大切。証明書が全て手元にあるか確認し、万が一紛失してしまった場合は再発行が可能になることがあるので、各窓口に問いあわせてみましょう。
青色申告のメリット
個人事業主の確定申告には、白色申告と青色申告とがあります。青色申告は白色申告に比べると詳細な帳簿をつける必要がありますが、節税になるなどのメリットは大きいです。条件を満たしていれば以下のメリットを受けることができます。
☑ 1.10万円もしくは65万円の青色特別申告控除がある。
☑ 2.3年間赤字が繰り越せる。
☑ 3.親族への給与(専従者給与)を経費にできる。
☑ 4.30万円未満(合計で300万円まで)のものを一括でその年度の経費にすることができる。
確定申告書は税務署でもらうか、国税庁のホームページでもダウンロードできます。
登録を行う個人事業主開業届
個人事業の開始から1カ月以内に、登録を行う個人事業主開業届を税務署に提出します。税務署に持参して提出する以外の方法では、郵送や電子申告システムを利用することも可能。開業届を出すことで、確定申告の時期には申告書が送られてきます。
開業届を提出したら、節税のためにもなる青色申告を始めることが可能です。あとは事業用に銀行口座を発行する際に、個人名ではなく会社やお店の名前を使用できるということもメリット。開業届は起業したという証明になるので、社会的信用を得ることができます。
申請すれば助成金や補助金ももらえる
助成金や補助金とは、直接的もしくは間接的に公益上で必要だと政府が判断した場合に、民間もしくは政府に対して交付されるお金のことです。申請すれば助成金や補助金をもらうことができますが、誰でも簡単にもらえるものではなく、条件に合っているかどうかの審査をクリアしないと受け取ることはできません。
助成金や補助金は原則的には返済する必要がないので、起業時の資金調達先の1つとして強い味方となるでしょう。助成金や補助金には様々な種類や目的のものがあります。
起業時に活用できる助成金や補助金
☑ 1.経済産業省の補助金
☑ 2.厚生労働省の助成金
☑ 3.地方自治体の助成金や補助金
☑ 4.その他(大手企業、政府系金融機関、各種財団など)の助成金や補助金
起業する前に知っておきたいデメリット
いつも自己責任がともなう
起業を選んだのであれば、いつも自己責任がともなうということを覚悟しておく必要があります。会社で起きた出来事や問題に対しては、起業を選んだ自分自身に責任があるということです。
部下の失敗や商品が売れないなど、自分に全く関係のないところで問題が起きたとしても、会社に関することの問題は、すべて起業した自分の責任。起業すると決めたのであれば、自己責任を伴う覚悟があるかを再度よく考えてみましょう。
プレッシャーがある
起業した時点で大きなプレッシャーがあります。事業に成功するかどうかのプレッシャーもありますし、成功するかどうかによって自分だけでなく従業員の人生まで巻き込んでしまうのです。
従業員も自分の生活をかけて働いています。従業員の生活がかかっているので、万が一事業に失敗して倒産なんてことになったら大変です。自分のためにも働いてくれる従業員のためにも、起業するなら必ず成功するという意気込みで臨みましょう。
プライベートな時間が減る
起業家はプライベートな時間はなかなか取れません。特に起業してすぐの頃はプライベートに時間を取ることは困難になります。起業後すぐは、人件費削減などで少ない人数でスタートすることが多いのですが、そうなるとプライベートを取る時間が取れないくらいに忙しいです。
起業家が自分の会社を成長させるためには、他の会社の数倍以上の速度で成長速度を速める必要があります。そのためには仕事に時間をかけるしかないのです。
成功している起業家はプライベートな時間がないくらい忙しく働いていますが、それでもイキイキとしています。その理由は、事業の目標達成や会社の成長がやりがいになっているから。仕事の充実感を楽しんでいるので、プライベートの時間が減ってもストレスにならないようです。
起業するには覚悟と準備が必要
起業するということは自分ひとりの問題ではなく、関わる全ての人の人生を背負うことになります。そのため起業するなら必ず成功しなくてはいけません。万が一失敗して会社が傾いてしまったら、従業員の人生を狂わせてしまう可能性だってあるのです。
起業に成功するためには、事前に準備をしておくことが必要になります。事業内容について、法律について、資金について、身につけておいた方がいいスキルについてなど、準備をすることはたくさんあります。起業をするための覚悟と準備を完璧にして、成功するイメージを膨らませておきましょう。