「会社を設立した後って、どんな手続きが残されているのだろう?」
「設立後の手続きって誰かに代行してもらえないかな…」
会社を設立したばかりのあなたは、このような悩みを抱えているのではないでしょうか。
そこで本記事では、会社設立後にする手続きを8種類紹介します。
記事の後半では、会社設立後におすすめの専門家も紹介しているので、これを読めば自分が何をすれば良いのか分かりますよ!
なお、会社設立後は手続のほかに、節税対策や資金繰りが大きな課題となります。
以下の記事では、具体的な節税対策について解説しているのでぜひ参考にしてくださいね。
また、資金繰りの手段について知りたい方は、以下の記事がおすすめですよ。
目次
1.会社設立後にする手続きは?【提出場所・添付書類・期限】
会社設立後にする手続きは、以下の8種類が挙げられます。
それぞれ、手続きに必要な書類・提出場所をまとめました。
また、添付書類や申請書のダウンロード先も掲載しているので、「右も左も分からない…」という方は、上から順に解決していきましょう。
(1)法務局で手続き(できる限り早め)
会社を設立したら、まず法務局に出向いて各種証明書を取得しましょう。
主な提出書類は、以下の3種類です。
提出する書類名 | その他添付書類 | 期限 | 申請書の様式 |
印鑑カード交付申請書 | なし | できる限り早め | ダウンロードはこちらから |
印鑑証明書交付申請書 | 印鑑カード | できる限り早め | ダウンロードはこちらから |
登記事項証明書交付申請書 | なし | できる限り早め | ダウンロードはこちらから |
登記事項証明書、印鑑証明書の書類は、後述の口座開設や年金事務所への届け出の際に使います。
具体的な提出期限は決められていませんが、会社を設立したら最優先で取得しましょう。
なお、これらの書類を作成する前に決めておかなくてはならないのが、印鑑の種類です。
以下の記事では、種類ごとの特徴や具体的な選び方を解説しているので、早めにチェックしておきましょう。
(2)税務署への届け出(会社設立から1〜3ヶ月以内)
税務署に提出する書類は、以下の4種類です。
提出する書類名 | その他添付書類 | 期限 | 申請書の様式 |
法人設立届出書 | ・定款の写し ・登記事項証明書の写し |
会社設立から2ヶ月以内 | ダウンロードはこちらから |
青色申告の承認申請書 | なし | 会社設立から3ヶ月以内 | ダウンロードはこちらから |
給与支払事務所等の開設届出書 | なし | 会社設立から1ヶ月以内 | ダウンロードはこちらから |
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 | なし | 適用したい月の前月末日まで | ダウンロードはこちらから |
『青色申告の承認申請書』、『源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書』の提出は任意ですが、青色申告は節税効果が極めて高いため、法人設立届出書と同時に提出すべきです。
また、税務署に提出する書類はすべて期限が異なります。
基本的には、期限が最も短い『給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書』を提出する際に、他の書類もまとめて提出しましょう。
(3)都道府県税事務所への届け出(地域によって異なる)
税務署が国税に関する役所であるのに対し、都道府県税事務所はその名のとおり、法人事業税や法人県民税などの地方税を扱っています。
こちらでは、法人設立届出書を提出します。
提出する書類名 | その他添付書類 | 期限 | 申請書の様式 |
法人設立届出書 ※都道府県により名称が異なる |
・定款の写し ・登記事項証明書の写し |
地域によって異なる | ダウンロードはこちらから |
注意すべきなのは、地域によって提出期限が異なることですね。
たとえば、東京都の場合は会社を設立してから15日以内、大阪府の場合は会社設立から2ヶ月以内です。
そのため、書類を提出しに行く前に、最寄りの都道府県税事務所の公式サイトをチェックしておきましょう。
(4)市町村役場への届け出(地域によって異なる)
こちらも都道府県税事務所と同様に、法人設立届出書を提出します。
提出する書類名 | その他添付書類 | 期限 | 申請書の様式 |
法人設立届出書 ※市町村により名称が異なる |
・定款の写し ・登記事項証明書の写し |
地域によって異なる | ダウンロードはこちらから |
注意点も都道府県税事務所とほとんど同じですが、こちらは地域によって提出するかどうかが変わります。
たとえば、東京23区内である場合、提出義務はありません。
そのため、あらかじめ市町村役場に提出義務があるかどうかを聞いておくと良いでしょう。
(5)年金事務所への届け出(会社設立から5日以内)
年金事務所では、主に保険に関する手続きを行います。
具体的な提出書類は、以下の2種類です。
提出する書類名 | その他添付書類 | 期限 | 申請書の様式 |
健康保険・厚生年金保険新規適用届 | ・登記事項証明書 ・法人番号指定通知書のコピー |
会社設立から5日以内 | ダウンロードはこちらから |
健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届 | なし | 被保険者になってから5日内 | ダウンロードはこちらから |
こちらは、期限が会社設立から5日以内と非常に短いです。
なので、法務局の手続きよりも先に済ませたいところですが、添付書類の中には登記事項証明書が含まれています。
つまり、法務局での手続きを済ませてからでないと、年金事務所の届け出は完了できないということですね。
もし、スケジュールが厳しい場合は、公式サイトを参考に郵送や電子申請を行いましょう。
なお、社会保険は基本的に加入義務がありますが、役員報酬がない場合など一部例外もあります。
また、社会保険にはいくつか種類があるので、詳しく知りたい方は以下の記事をチェックしましょう。
(6)ハローワークへの届け出(従業員を雇用した翌日から10日以内)
ハローワークに提出する書類は、以下の2種類です。
提出する書類名 | その他添付書類 | 期限 | 申請書の様式 |
雇用保険適用事業所設置届 | ・登記事項証明書 ・労働者名簿 |
従業員を雇用した翌日から10日以内 | ダウンロードはこちらから |
雇用保険被保険者資格取得届 | なし | 従業員を雇用した翌日から10日以内 | ダウンロードはこちらから |
こちらは従業員を雇用するまでは対応不要です。
また、電子申請による届出も可能なので、忙しくてハローワークに行けない場合は『ハローワークインターネットサービス』を利用してみてはいかがでしょうか。
(7)労働基準監督署への届け出(従業員を雇用した翌日から10〜50日以内)
労働基準監督署に提出する書類は、以下の5種類です。
こちらもハローワークと同じく、従業員を雇用しない場合は提出義務がありません。
提出する書類名 | その他添付書類 | 期限 | 申請書の様式 |
労働保険 保険関係成立届 | 登記簿謄本 | 従業員を雇用した翌日から10日以内 | ダウンロード不可 ※手続き案内はこちらから |
労働保険 概算保険料申告書 | なし | 従業員を雇用した翌日から50日以内 | ダウンロード不可 ※手続き案内はこちらから |
就業規則(変更)届 | なし | 従業員を常時10人以上の雇用したら速やかに | ダウンロードはこちらから |
適用事業報告 | なし | 従業員を雇用したら速やかに | ダウンロードはこちらから |
時間外労働・休日労働に関する協定届 | なし | 時間外労働・休日労働が発生したら速やかに | ダウンロードはこちらから |
(8)金融機関で法人口座の開設(できる限り早め)
法人口座とは、その名のとおり法人名義の銀行口座のことです。
こちらは必ずしも開設する必要はありませんが、作るメリットは非常に大きいです。
- 会社としての信頼性が高まる
- 法人名義のクレジットカードが作れる
- 取引先との入出金が容易になる
- 財務状況を把握しやすくなる
また、申込書はそれぞれの銀行ごとに異なりますが、必要なものはどこも共通しています。
- 登記事項証明書
- 印鑑証明書
- 印鑑
ただし、法人口座は総じて審査基準が厳しく、開設に時間が掛かる傾向にあります。
そのため、法務局で必要な書類を揃えたら、早めに開設の手続きを済ませましょう。
2.会社設立後の相談は税理士がおすすめ
「会社設立後の手続きは分かったけど、これって自分の力だけで解決できるのかな…?」
「可能なら専門家に代行にしてもらいたいのだけど、その場合誰に頼めば良いのだろう?」
結論から述べると、会社設立後の手続きは税理士に相談するのがおすすめです。
というのも、税理士には以下のメリットがあるからですね。
- 税理士は司法書士や行政書士と連携していることが多いため、会社設立後の手続きを丸投げできる
- 税理士は助成金や補助金、融資などに精通しており、会社の資金繰りを助けてくれる
- 節税対策のアドバイスをもらえる
このように、税理士に相談すると会社設立後の手続きを丸投げしつつ、お金に関する悩みを解決できます。
以下の記事では、税理士に相談するメリットや選び方のコツを紹介しているので、今後の会社経営を安定させたい方は参考にしましょう。
まとめ
この記事では、以下の内容について解説しました。
- 会社設立後にする手続き
- 会社設立後の手続きは税理士への相談がおすすめ
会社は、設立した後にも様々な手続きをする必要があります。
もし「手続きの種類が多くて混乱する…」という方は、書類や提出場所、期限などを意識すると何から手を付ければ良いのか分かりますよ。
また、手続きばかりに目が行きがちですが、会社設立後は節税対策や資金繰りについて学ぶことも重要です。
その際、税理士はあなたのことを大きくサポートしてくれるので、ぜひこの機会に相談してみてくださいね。
なお、節税に強い税理士をお探しの方は、以下の記事が参考になりますよ。