起業のリスクは回避不能?しっかり知ってあなたの対策を見極めて

目次

起業をする上で考えられるリスク

経営者の保障は自分ですること

起業をして経営者となると、すべての保障を自分で行う必要が出てきます。これまでサラリーマンをしていたのであれば、あたりまえにあった雇用保険のような制度は適用外となりますので、すべて自分自身で責任を持つ必要があります。自分で保険に入ったり、もしものときのために、積み立てを行ったりしておく必要が生じるかもしれません。

一方で、だれも責任をとってくれない代わりに、すべて自分で自分のことを保証できるというメリットはあります。社内の福利厚生のために会費を払うなどといった、社内の独自ルールに従う必要はなくなりますので、メリットもあるといえるでしょう。

一方で、経営者の中には、自分にもしものことがあった場合のために、会社名義の高額の生命保険に入っている人もいます。経営者にとっての保障とは、個人や家族の領域を超えるものであることもあります。背負う責任を考え、きちんと保障を選ぶようにしましょう。

手間と時間がとてもかかる

起業をしてしまうと、これまで誰かがやってくれていたことを、すべて自分で把握しなくてはならなくなります。税金の知識も必要になることからかなり時間を割かれ、煩わしいと感じることが増えるでしょう。行政手続きも、いちいち自分ですべて調べて行わなくてはなりません。税務署に行くだけで時間がとられてしまい、その分仕事が行えないことはもったいないことですね。

事務作業全般は、大変手間のかかることですので、時間と労力をはかりにかけて、それに見合うのであれば、外注に出すという方法も考えられます。または、そのために人を雇うことも方法のひとつです。これらは、売り上げに見合うのであれば利便性もあり、よい方法です。

よく考えて、自分ですべてやるかどうかを決めましょう。コストと自分自身の人件費をはかりにかけて、よく考えましょう。いずれ、事業を拡大していきたいのであれば、必須の検討事項となります。

起業にかかるコストと維持費がかかる

起業には、ランニングコストがかかってきます。業務にかかわる内容を業者に依頼すれば、その分外注費がかかってきます。なかでも維持費がかかる部分に関しては、継続してかかる費用となってきますので、負担になる場合もあるでしょう。

なるべく維持費がかからないやり方で起業を始める方法もありますが、その分手間がかかります。ランニングコストには、ある程度の割り切りも必要ですので、かかっても仕方のない部分と、節約できる部分を切り分けていくようにしましょう。

例えば、ホームページやブログの運営は、業者に委託する場合と、個人で運営していく場合では、費用に格段の差があります。しかし、集客ツールとして力を入れたいのであれば、必要なことです。本当に必要な出費であるか、よく考えましょう。ここは、事業の戦略にも関わる重要な部分です。

最大のリスクは借金

起業における最大のリスクは借金です。初めに借り入れを行うことで、運営資金を用意することができるようになります。このことにより、事業を運営しやすくなり、さらに拡大しやすくなるというメリットがあります。しかし、借金をするということは、何らかの形で会社または本人に責任が生じるということです。

事業に失敗した際には、大きなダメージとして帰ってくる可能性が高いのです。借金はチャンスであると同時に、リスクでもあるということを覚えておき、慎重に行いましょう。また、事業を行っていると、借金の保証人にならざるを得ない場合もあるでしょう。この場合も、借金をした本人と同様のリスクを負うことになりますので、覚悟は必要です。

借り入れを行うか否か、また、金額やタイミング、借り入れた資金の使い道などは、事業の成功に深くかかわってくる部分ですので、よく考えて、慎重かつ大胆に決断しましょう。

リスクを回避する方法

自己資金で事業を始める

自己資金の範囲内で事業を始める方法が、リスクを回避しやすい方法です。自己資金の範囲内なので、借金をする必要がなく、失敗したときのダメージを抑えることができます。まずは貯金をして、その範囲で起業をすると、コンパクトに事業を始めることができるでしょう。無理をしないことで、安心感にもつながりますね。

一方で、自己資金の範囲内で始めることで、事業が小さくなりがちであるというデメリットも生じます。なかなか大きな収入に結び付きにくい点が、最大のデメリットといえるでしょう。ただ、いきなり借金をして事業を始めることは、やはり、大きなリスクでもあります。このリスクを背負わずにすむメリットは、大きいといえるでしょう。

特に、家族がいるのであれば、家族の理解を得やすいこともあり、自己資金で始める方が、始め方としては、よいのかもしれません。借り入れなしであるということは、気持ちの余裕にもつながるでしょう。

投資家から資金を集める

本格的に事業を始めるのであれば、投資家から資金を集める方法もあります。これには人脈が必要になりますので、できる人とできない人に別れる部分でしょう。また、近年はネットを利用して、資金を集める方法もあり、資金調達のハードルは下がっているようです。

そして、株式会社になることで、株主総会を開く必要もあり、必要な事務作業も激増します。人を雇う必要性も増すでしょう。給与計算など、事業にかかわる部分以外の、人事的な仕事量が増す可能性が高いです。ところが、その分多くの資金を集めることができ、事業のスピード感も増すというメリットもあります。

ここまで行くと、軽いプチ起業、在宅ワークなどとは一線を画します。そして、ここまで行ったら、立派な実業家になるので、簡単にやめることはできないでしょう。背負う覚悟も責任も変わってきますので、自分にその器があるか、見極めてから動きましょう。そうでないと大きなダメージを背負うことになります。

個人保証がいらない借り入れをする

個人保証がいらない借り入れをする方法もあります。保有資産を担保にして、借り入れを行う方法や、プロパー貸しといわれる、銀行から直接借り入れる方法があります。保有資産や土地などがあると、借り入れがしやすいでしょう。プロパー貸しは、中小企業にとって重要な借入方法ですが、保証会社を通さない分、銀行からの信用が必須となってきます。そのため、少しハードルの高い借り入れといえるでしょう。

まずは、実績を積んで、貸し付けをしてもらえるような、安定した経営を行いましょう。その上で、プロパー貸しを受けられるよう、銀行との間で、信頼関係を築いていきましょう。どちらにしても、借り入れはリスクのあることなので、無理をしないことが必須となってきます。リスクをよく考えて、行うようにしましょう。

撤退戦略もあらかじめ考えておく

もしものときのために、撤退戦略もあらかじめ考えておくとよいでしょう。自分がどこまでやるのか、撤退するラインを定め、破滅しないように諦めることも大切であることを先に知っておきましょう。何らかの保険をかけておくこともよいでしょう。

ひとつの事業がうまくいかなくなったときに、乗り換えられる何かを見つけておくことも重要です。単純に貯金をしておくだけでなく、事業に失敗しても残るような何かを用意しておくことで気持ちの余裕につながります。

きちんと終わらせ方を考えることも、事業を始める上では必要なことです。始めと終わりをきちんとできる人の方が、息の長い仕事ができることでしょう。

起業をするならリスク管理をきちんとしておきましょう

起業をすることには、メリットがたくさんあります。自分のやりたいことを形にでき、多くのことを自分自身で決めることができます。喜びを享受できる機会も増えることでしょう。しかし、起業はよいことばかりが起きるわけではありません。

失敗して、借金を背負うことになることもあるでしょう。または、借金を背負わなくても、起業してもほとんど仕事がなく、廃業することになる場合もあります。起業をする前にきちんとリスク管理をして、準備を怠らないようにしてから、起業するようにしましょう。

ただ起業しただけで終わらせないためにリスク管理は非常に大切なことです。ぜひ覚えておいてください。

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