節税対策の方法。年末調整で国民健康保険の控除を受けましょう。

国民健康保険も控除を受けることができるのだろうか。国民健康保険も社会保険料控除の対象になります。正しく市区町村に申請することで、控除を受けることが可能です。国民健康保険も控除を受けて節税対策をしましょう。控除できるものを知っておくことで、税金が安くなりますよ。

年末調整と国民健康保険

国民健康保険は社会保険料控除の対象

社会保険料の控除になるのは、納税者や納税者と生計を一にする配偶者や、その他にも納税者の親族で生計を一にし、負担すべき社会保険料を支払った場合には、所得控除を受けることができます。この事を、社会保険料控除といいます。
納税者とは、所得税や法人税を払っている人のことです。生計を一にするとは、毎月コンスタントに生活費や医療費などの負担をしている人のことで、一つ屋根の下に住んでいる人のことではありません。
自分の親などで別居していても、毎月仕送りなどをしていれば生計を一にしていると判断される場合もあります。

社会保険料控除の金額

控除できる金額は、その年に実際に支払った金額か、給与や公的年金から差し引かれた金額の全額です。要するに、今年度中に納付した金額の全額を世帯主以外の家族に受けることができます。
社会保険料の控除がきくものにはさまざまなものがあります。健康保険料、厚生年金保険料、国民健康保険料、国民年金保険料、後期高齢者医療保険、介護保険料、雇用保険料、国民年金基金の掛け金、厚生年金基金の掛け金、公務員共済の掛け金などです。

会社員でも国民健康保険料の申告が必要なケース

転職前に国民健康保険を納付していた

会社員の場合、社会保険料や税金は、毎月の給料から天引きされる形になっていて、額は収入によって決まります。転職することで給料から引かれる額も変わってきます。

社会保険料は健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料の3つがあります。この料金は、標準報酬月額という4〜6月の給料の平均額を元に計算されるため、年度の途中で転職した場合には、転職先が届け出た標準報酬月額を元に計算され、社会保険料が決まります。

標準報酬月額とは、基本給だけではなく、基本給に交通費や残業手当などの手当ても全て含んだ額のことです。健康保険料は、加入している健保組合によって保険料率が異なるケースがあるので、会社によって違います。

国民健康保険から社会保険に切り替わる場合は、手続きが必要になります。

未納になっていた過去の国民健康保険料を納付した

国民健康保険を滞納していると、国から差し押さえにされてしまう場合があります。未納の国民健康保険を支払いに行く場合、自分が住んでいる市区町村の役所に直接行きましょう。

国民健康保険を納付した日が年内で収まっていて、年内の確定申告に間に合えば、申請することができます。納付した日の年に控除を受けることができます。

間に合わなければ翌年に持ち越され、翌年の確定申告での申請になります。

家族に代わって国民健康保険料を納付している

家族の分の国民健康保険を代わって納付している場合、代わって納付している人の口座から直接引き落とししていれば、控除を受けることができます。

直接引き落としになっておらず、代わりに現金で払いに行っているなどの場合は、事実証明がないため、控除を受けることができません。

家族の分も国民健康保険を納付している場合は、自分の市区町村の役所で申請を行うことができるので、手続きを行いましょう。今まで納付書で支払いをしていて、家族の分も始めて払うようになる場合は、引き落とし口座が必要です。

銀行印と口座番号を記入し、提出することで家族の分も自動引き落としで支払うことができます。確定申告で申請を行う場合は、確定申告の際に税務署で手続きを行います。

国民健康保険料の申告方法

保険料控除申告書について

保険料控除申告書は、正式には、給与所得者の保険料控除申告兼給料所得者の配偶者特別控除申告書と言います。
保険料控除申告書は、給与所得者が、その年の年末調整で生命保険料、地震保険料、給与所得者の配偶者控除、社会保険料、小規模企業共済等掛金の控除を受けることができ、この控除を受けるために行う手続きです。
この申請書に今年中に払った、あるいは払う予定の金額を記入します。該当するものがない場合は、申請書の上に名前、住所、捺印をする場所があるのでそちらに記入するだけで大丈夫です。

生命保険料控除は、県民共済や民間の生命保険を支払っている人が記入します。一般の生命保険、介護医療保険、個人年金保険の三種類があります。

配偶者特別控除は、給与所得者が控除を受ける年の年収が1000万円以下の場合や、配偶者の年収が、103〜141万円以下、配偶者が他の親族の扶養に入っていないことが条件になっています。

申告書は会社や税務署で配布

申告書は、基本的に会社などの勤め先で配布されます。配布されない場合は、税務署でももらえますし、国税庁のHPからダウンロードも可能です。

扶養控除申告書は、法令様式のため原本を使わなければならないわけではありません。必要事項を全て書かれていれば、会社独自で作成したものでも構わないことになっています。

扶養控除等申告書を出さないと、高い所得税をひかれ年末調整もやってもらえなくなってしまうので注意が必要です。

年末調整で申告漏れをしたら確定申告を

書類の記入漏れにより申告漏れをしてしまったら、確定申告の時に申請しましょう。単純なミスの場合と、勘違いによる記入漏れのミスの場合があるので、勘違いの場合は、毎年やってしまう恐れがあるので明確にしておきましょう。

通常の会社では、経理担当などが教えてくれたりしますが、見逃してしまう可能性もあり得るので、自分で出来るとようにしておきましょう。

記入漏れが起こりやすいものとして、子供などの16歳未満の扶養親族の記入漏れや給料天引き以外で、保険や年金を支払っている場合その保険や年金の記入漏れ、起居を共にしている親についての記入漏れなどがあります。

また、夫と離婚した時の寡婦控除記入漏れや、夫と死別した時の寡婦控除記入漏れなどもあるので、環境の変化があった方は、特に注意が必要です。

控除が受けられるのか知らずに、記入漏れをしてしまう理由は、男性でも寡夫控除が受けられるのを知らず記入していない場合や、同居はしていないけど、生計を一にしていて、扶養親族に含まれる親族記入漏れなどです。

また、年収103万円超でも配偶者特別控除の適用になる場合があるので、その配偶者の記入漏れや2年目以降の住宅ローン控除の適用漏れなどが多くあるので、自分が受けれる控除を明確にしておきましょう。

保険料控除申告書の書き方

国民健康保険の支払先の名称

国民健康保険の支払先は、お住いの市区町村になります。◯◯市や〇〇市▽▽区、などの名称で記入します。

国民健康保険自体の料金は、毎年4月〜5月くらいに行なわれ、6月〜翌年3月が納付期間になります。保険料の納付書が発行させてきますが、だいたい5月〜6月に郵送で送られてきます。

納付期間は自治体によって異なり、6月〜翌年3月、7月〜翌年2月などがあるので、お住いの市町村の役所に確認しましょう。支払い方法はいくつかあり、口座振替や納付書で支払う方法があります。

口座引き落としの場合、手続きは各市区町村の役場が用意している口座振替依頼書か、自動振込利用申込書などがあるので、必要事項を記入し、ポストに投函するだけです。口座は1世帯に1つだけつくることができます。

加入者が増えても、同じ口座からまとめて引き落とされます。引き落とし日は毎月末日で、1年分の一括引き落としは行うことができません。

納付書で支払う場合、まとめて1年分来るため、まとめて払うことが可能です。まとめて支払うと、いくらか安くなります。また、コンビニで支払うこともできるので、セブニレブンなどナナコカードを使ったりすればポイントも付くので、おすすめです。

国民健康保険料の支払金額確認方法

国民健康保険料は、役場から送られてくる納付済書で確認できます。口座引き落としになっている場合は、通帳を記入することで、引き落とされている額が記載されます。お住いの自治体名で引き落とされているので、確認しましょう。

また、各役場に問い合わせをしたり、国民保険税納税証明書にも金額が記載されているので、そちらでも確認ができます。

国民健康保険料の出し方は、まず所得金額を知ることから始めます。所得金額とは、前年1月1日〜12月31日のすべての収入から経費を差し引いた金額です。個人事業主なら総収入から、仕入れと経費を引きます。

会社員やアルバイトなどの給与所得者は総収入から給与所得控除額となります。調べ方は、個人事業主なら確定申告書の所得金額の合計を見ます。会社員などの方は、源泉徴収票の給与所得控除後の金額を見ます。

その後、基準額を計算します。基準額は、所得金額から33万円を引きます。33万円は基礎控除であり、すべての方に適用される所得控除です。所得金額−33万円 = 基準額になります。

次に、所得割額を計算します。基準額を次の(1)〜(4)に当てはめます。所得割額は所得が一定以上ある方にだけかかり、基準額が0円以下になる場合は所得割はかかりません。

(1)基準額分、基準額×7.47%
(2)支援金分、基準額×1.96%
(3)介護分、40〜64歳の方の基準額×1.52%
(4)合計、(1)+(2)+(3)

次に均等割学を計算します。均等割学は、次の(5)〜(8)のように計算していきます。

(5)基礎分、加入者数×38,400円
(6)支援金分、加入者数×11,100円
(7)介護分、40〜64歳の加入者数×15,600円
(8)合計、(5)+(6)+(7)

この合計金額が均等割り学になります。最後に所得割額と均等割額を合算し、合算した金額が保険料の年額がです。この年額を毎年7月から3月などの月額で分割して払うような形になります。自治体によってこの期間は変わります。

国民健康保険料の証明書は不要

国民健康保険料の証明書は、確定申告時には添付不要です。国民健康保険にも確定申告用の国民保険税納税証明書という物があります。自治体によっては、国民保険税ではなく、国民保険料の場合もあるので、わからなければ各自治体に問い合わせましょう。

確定申告の時には、国民健康保険支払った総額だけを書くので、特に必要ではありません。領収書を捨ててしまったなど、いくら払ったか覚えてない場合でも、自治体で発行してくれるので、各自治体で発行してもらいましょう。

自治体によっては、事務処理の手間を省く為に、証明書を毎年1月末前後頃、送ってくれる自治体もあります。

国民健康保険料を申告して所得税の還付を受けよう

国民健康保険は、確定申告時に申請することで、所得税の還付を受けることができます。申請を忘れてしまうと、還付を受けることができないので、莫大な保険料を払うことになりかねません。

自分がどれだけの国民健康保険料がかかり、どれだけの還付があるのかを理解することで確定申告も正しく行うことができます。結果として無駄な税金を払うことがなくなり、節税対策にもつながります。

各自治体の国民健康保険を理解し、できる限り税金を抑えられるようにしましょう。また、自治体によっても国民健康保険の料金は、違うので万が一引っ越しをするタイミングがある方などは、国民健康保険料を見ることも良いでしょう。

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