資金調達の方法。事業を立ち上げるために安全にお金を集めましょう

事業を立ち上げたいけれど、資金の調達方法をどうしたらいいかわからない。資金の調達にはいくつかの方法がありますが、なかには、利息が高すぎて返すことが大変であったりと、さまざまです。資金調達をいかに上手に行うかによって、事業の安定も左右します。

目次

起業の際に知っておきたい資金調達方法

立ち上げ期でも利用しやすい公庫融資

公庫融資とは、日本政策金融公庫による融資のことです。新創業融資制度、低金利、無担保、無保証などがあり、融資が受けられるかどうかの結果が早く出ることが特徴です。

新創業融資制度は、契約時の金利が最後まで適用される固定金利であることや、事業資金としては珍しい、長期の返済期間が組めます。運転資金は7年以内、設備資金は20年以内という期間が設けられています。

ほかにも、2年以内なら元金返済の据置期間を設定できることや、事業開始後7年までの方が利用できることなどがあります。新規開業資金では、一定の要件を満たす方が3,000万円(このうち運転資金1,500万円)まで無担保・無保証人で利用できます。

金利の現時点基準利率を幾つか紹介すると、担保を不要とする場合は、1.81〜2.3%、新創業融資制度では、2.36〜2.85%、担保を提供する融資を希望する人には、1.16〜2.25%などです。経営者の保証を不要とする場合は、経営者保証免除特例制度を希望することができ、他の制度との併用になり、貸付利率は+0.2%でできます。

経営相談もできる制度融資

制度融資とは、各地方自治体が行っている事業資金の融資あっせんのことです。各都道府県、市町村でその地域にある中小企業に対して行っている融資のことです。そのため、各地方自治体によって内容は異なります。

また、メリットとして、日本政策金融公庫に劣らないほどの低金利で融資が受けられます。自治体が行っている制度ですが、各自治体自体が融資を行うものではなく、各都道府県が指定している取扱金融機関から融資を受けることになるのです。

通常の銀行などからの融資と違う部分は、各都道府県が取扱金融機関に対して預託金を預けていて、この資金が融資に回されます。そのため、各地方公共団体の支援があるため同じ銀行からの融資だとしても、金利が安く設定されるのです。

各地方公共団体の制度融資に共通する一般的な条件は、中小企業者であること、融資を受ける地方自治体の地域内で一定期間事業を営んでいること、税金を納付していることです。

その他には、過去に融資を受けたり、保証人になったりしている場合にはその返済に延滞等の事故がないこと、許可が必要な業種の場合は、許可を受けているかなどが挙げられます。無担保で無保証の場合が多いです。

返済の必要がない自己資金

自分で、コツコツとお金を貯めておいて、自己資金とする場合は、最も起業をする上で気が楽なものです。金利負担はありませんし、経営権の保持もできます。また、返済が残っていないため、資産の売却が可能になります。

自己資金として見られないものは、親兄弟から借入れたお金や、タンス預金などは、認められない場合が多いです。無利息でも返済義務があれば、自己資金ではありません。贈与でもらったお金は、自己資金とすることは可能です。証明する書類が必要になる場合があるので準備しましょう。

タンス預金は、見せ金ではないかと疑われる可能性が高いです。今までの給料が現金払いだったなどの一定の理由があればよいですが、基本的にタンス預金を自己資金と認めてもらうのは非常に困難な場合が多くあります。

株式、投資信託などの金融商品は、証券をもって自己資金として認める場合は、非常に低いですが、現金化して、事業に充てるとなれば自己資金として認められます。

事業安定後におすすめのマル経融資

マル経融資は、日本政策金融公庫による小規模事業者経営改善資金融資制度のことです。商工会議所等で、経営指導を6ヶ月以上受けた方に対し、無担保・無保証人で、日本政策金融公庫が融資を行う国の制度です。

利用できる条件として、常時使用する従業員が20人に属する事業や、最近1年以上、商工会議所地区内で事業を行っている方、商工会議所の経営・金融に関する指導を原則6ヶ月以上受け、さらに事業改善に取り組んでいる方です。

ほかには、所得税、法人税、事業税、都道府県民税等の税金を完納している方や、日本政策金融公庫の非対象業種等に属していない業種の事業を営んでいる方などが挙げられます。

融資の条件として、貸付限度額は2000万円です。返済期間は、運転資金7年以内、据置期間1年以内あります。設備資金は、10年以内で据置期間は2年以内です。運転資金として活用しやすく、仕入資金、手形決済資金、給与・ボーナスの支払いなどにも利用可能です。

注意が必要な資金調達方法

消費者金融からの借入

消費者金融からの借入は、注意が必要です。高利息なものが多いためです。多いもので14パーセントなどのものまであるので、簡単に借りることができるからといって、気軽に手を出すのはやめましょう。

消費者金融というのは、俗に言うサラ金に値します。返済が一ヶ月遅れれば利息がぐんと上がってしまうものもあり、多大な借金を抱えてしまうことになりかねません。しっかりとした銀行から借りた方が安全です。

知人や親族からの個人借入

知人や親族からお金を借りるということは、自分が失敗した時に相手に返せない場合があるなどのリスクを共通するため、嫌がられます。自己資金が用意できないような状況で周りにお金を借りて事業を起こしたとしても、失敗した時に親族の信頼を失いかねません。

個人的に借りるということは、契約でもないですし、親族だからと私情を挟んでしまい強くいえないなどのことが問題で、関係が悪くなりかねないので、できれば避けたほうがよいでしょう。お金持ちでお金が有り余っていれば別ですね。

起業直後の銀行からの借入

起業直後は、一般の金融機関から融資を受けることは難しいです。金融機関は、貸倒れの危険を回避するため、実績のない企業にはなかなか融資をしません。そのため厳格な審査になります。

起業後数年が経過し、毎年一定の黒字を確保している企業であれば、銀行等も融資に前向きになります。起業直後の場合では、銀行も実績を判断する基準がないため、高額の担保が提供できるなどの事情がない限りは、起業直後の銀行等からの融資はほとんど不可能です。

適切な資金調達方法は企業によって変わる

資金調達方法に迷ったら専門家に頼ろう

資金調達方法に迷ったら専門家に相談することもよいでしょう。事業計画書の重要性や、経営指針、多角的なアドバイスをもらえると事業に大変役に立ちます。

税理士の人でも資金調達に詳しい人がいますが、資金調達を成功させる力があるかどうかは、経験による部分が大きいです。助成金や補助金は、申請の手続きや必要書類などが異なるので、申請代行を10件くらいはこなし、5年以上成功しているような人がよいです。

銀行融資を成功させるには、効果的な事業計画書と資金繰り表を作成でき、会社アピールの効果的な方法を考えられる力があり、融資の必要性について効果的な説明ができることなどがあります。また、顧客にふさわしい取引銀行を選ぶことができたり、銀行ごとに効果的な付き合いができる人脈を持った人だとより資金調達がスムーズに行いやすくなります。

有利な条件を得るためのコネクションを築く

人からの情報というものは、すごく役に立つもので、人脈を作ることは起業する上で大切になってきます。起業イベントへの参加を積極的に行ったり、コミュニケーション能力を向上させることも大切になってきます。

起業を目指している人同士などでつながることで、何かと助けてくれる場合や、優秀な人を紹介してもらえるなんてこともあるかもしれません。できる限り、情報やよい条件を持っていけるようにさまざまなタイプの人とつながりましょう。

銀行の融資を受けるのも、銀行の担当者と知り合いだと手厚くなる場合などもあるので、人脈はいつどこでプラスにつながるか分かりません。

ベストな資金調達方法で事業を安定させよう

資金調達は、事業を安定させる上でとても重要になってきます。多くの借金をしてしまえば、金利がつき、返済期間が長くなってしまえば、金利が高くなってしまう場合もあります。より負担が少なく借りる方法を見つけ出しましょう。

返済額が高すぎると、毎月返済できないなんてことにもなりかねないので、最初の準備の段階で事業計画をしっかりと立て、利益がどれだけ出て返済に充てられるかを明確にします。自分で計画ができているのか不安な場合は、専門家の力を借りることも大切です。

失敗して借金が増えてしまわないためにも、多くの人から情報をもらい、より多く人とつながることで、手助けをしてもらえる環境を作ったり、資金調達をしやすくする環境を整えましょう。資金調達の方法をしっかりとることによって、起業した後の事業の安定につながります。明確にリスクマネジメントをし、事業を成功させましょう。

さらに詳しく知りたい方は
税理士に無料相談LINEChatworkメール

関連記事