国民年金に切り替える。正しい手続きの仕方や必要な資料書類とは

厚生年金に加入していた方は退職などの理由から国民年金に切り替えが必要です。日頃から頻繁に行う手続きではないので、必要書類等や切り替え方に困っている方も多いのではないでしょうか。重点を掴み、手続きは自分で市役所へ赴き、確実に終わらせましょう。

目次

国民年金への切り替えは退職したらすぐに行う

厚生年金の脱退は会社で行ってもらえる

会社に就職する時、国民年金から厚生年金に特になにも手続きはしなくても切り替わります。もしかするとそんな意識をしたことがない人もいるかもしれません。

それと似たようなもので、退職事実が発生してから5日以内に会社が厚生年金の脱退の手続きは行ってもらえます。しかしあまりきちんとしていない会社ですと手続きをし忘れていたり、資格喪失証明書を交付してくれなかったりもしますので、退職前に確認しておきましょう。

退職後は国民年金への手続きが必要

退職を決めたのであれば、国民年金のことを考えなければなりません。そして退職後、国民年金に変更する手続きをしなくてはなりません。そちらは自分で手続きをすることになりますので、注意が必要です。市役所にて手続きを行ってくれますので、そちらへ向かいましょう。

国民年金の月々の保険料

国民年金の金額は年齢や性別等に関係なく一律となっています。しかしその年度によって金額は多少変動しますので、確認をしておきましょう。だいたい1万6000円前後と考えてよいでしょう。

厚生年金から国民年金への切り替えは、自分で手続きをする必要があります。保険料は人によっては厚生年金より国民年金のほうが高くなるかもしれません。

国民年金の控除

国民年金には、控除や猶予というものもありますので、支払いが難しい場合は調べてみたり、相談するとよいでしょう。特にシングルマザー、高齢者などは重要になってきます。

この国民年金保険料免除・納付猶予制度は、申請が必要です。本人・配偶者の所得で計算し、困窮していることが承認されると、保険証が免除されます。

免除される額は、全額、3/4、1/2、1/4の4種類。払えないから滞納するのではなく、申請をして保険料を免除してもらう努力をしないと、いつまでも督促状が届いてしまいます。

国民年金への切り替えをする方法

再就職まで期間が空いたら行う

退職後、すぐに就職をするのであれば、さほど問題はありませんが、1ヶ月以上期間が空くようなら必ず手続きを行いましょう。手続きを行わなければ、退職日までさかのぼり、逆算された国民年金の保険料の請求がくる可能性があります。

切り替えを行わないと、数万円を一気に請求される可能性がありますので、そうならないためにもきちんと手続きを行いましょう。忘れていた、忙しかったなどの自己都合では済まないのこともあるので早め早めの行動が大切です。

切り替えの手続きに必要な物と手続き期限

国民年金への切り替え期間は14日間、つまり2週間となっています。その間に再就職するのであれば問題ありませんが、それ以上になる場合は退職後すぐに手続きに行くのが一番よいです。

必要な書類や用意するもの

☑年金手帳

☑印鑑

☑離職票

☑身分証明書

☑資格喪失証明書

必要書類の詳細

離職票は、退職日を証明できるものです。退職した会社から発行されることになっています。身分証明書は、免許証やマイナンバーカードが確実。保険証は、退職後は切り替えとなり、社会保険であれば会社に返納する必要があるので使えません。

資格喪失証明書は、退職後に会社から送られてくるものです。資格喪失証明書の発行を会社が忘れることも多くあるそうなので、注意が必要です。

自分で準備できそうなものは、あらかじめ準備をしておきましょう。紛失していないかどうかの確認も必要です。

国民年金から厚生年金に変わる場合

逆に、就職が決まって国民年金から厚生年金に変わる場合は、手続き上時間がかかる可能性があります。前納制度等を利用した場合、国民年金と厚生年金を二重に支払うことになる可能性も。

しかし、当然払いすぎた納付金は返金されます。国民年金を支払いすぎた場合は、年金事務所から「国民年金保険料還付請求書」が就職から2ヶ月前後で年金事務所から送られてくるので、返還期限に間に合うように申請しましょう。

また、その還付申請も2年ほどで権利がなくなるので、資料や書類が届いたら早めに手続きすることが大切です。

国民年金保険料還付請求書が届いたら

資料内に口座番号等を書く欄があるので、それらを埋めます。記入欄に不備がないことを確認したら郵送か直接年金事務所へ持っていくだけ。以上で手続きは完了です。

もし国民年金保険料還付請求書を紛失したり、なんらかの理由で就職から2ヶ月より前に還付請求をしたい場合は、年金事務所へ問い合わせることで対応をしてもらえます。

また、還付請求書が届くはずなのに届かなかった場合、なんらかの手違いが起こっている可能性がありますので、そちらも問い合わせが必要です。今一度確認しましょう。

資格喪証明書が届かなかった時の対処方法

通常は退職後に会社から資格喪失証明書が届くのですが、まれに届かないこともあります。資格喪失証明書がないと国民年金への切り替えの手続きが行えません。

退職後しばらくしても届かない場合、まずは退職時に資格喪失証明書が必要だと申告しているかどうか確認が必要です。基本的に、申告していれば退職時にもらえます。それでも届いていない場合は会社に問い合わせるようにしましょう。

年金事務所に確認

会社側で手続きが完了していれば、年金事務所にて資格喪失証明書を再発行してもらえます。その時に必要な書類等は以下の通りです。

☑印鑑

☑身分証明書

この2点があれば確実です。住まいから近くのの年金事務所に行き、「資格喪失証明書をもらいにきた」といえば手続きをしてもらえます。簡単に申請できますので、焦る必要はありません。

どこで国民年金への切り替えができるのか

国民年金への切り替えは退職後、先述した必要書類等があれば市役所で手続きをしてもらえます。しかし資料が足りなかったり、不備があると当然切り替えはできません。

特に資格喪失証明書が重要であり、会社が発行を忘れたり、届かなかったりすることも多いようなので気をつけましょう。退職前に再度職場に確認しておくと間違いありません。

資格喪失証明書を送ってもらう

また、先述した方法以外に資格喪失証明書を会社に送って書いてもらい、再びこちらに送り返してもらうという方法もあります。臨機応変に対応しましょう。

年金手帳もなくしたり、どこに置いたか分からなくなるというトラブルも多いようです。直前でバタバタしないように、あらかじめ確認しておきましょう。

もしも切り替えなかったらどうなるのか

強制的に国民保険に切り替えらえる

国民年金とは、そもそも日本に住んでいる人すべてが加入しているものです。加入していない人はいません。つまり、会社勤務をしている間は厚生年金と国民年金、両方がかかっているということになります。

よって、切り替えの申請をしなくても強制的に厚生年金から国民年金に切り替えられます。自動的かつ強制的に切り替えられているなら自ら赴かなくてもいいのではないかと思う方もいるでしょう。しかし、手続きをしなければ、多額な請求が一気にされてしまうなど、少々面倒なことになります。

まとめて金額が請求される

自分で市役所へ手続きに行かないと、退職後から今までの国民健康保険料を計算されて、まとめて請求をされる可能性があります。つまり、月々約16,000円程度支払うはずだったものが、申請されなかった月分まとめた金額で支払わなくてはならないということです。

退職後はあまりお金の融通も利かせられないので、気をつけたいところです。面倒でも手続きに行くのが自分のためです。

扶養者がいる場合は2人分納付が必要

扶養者とは、妻や子供のことです。もちろん家庭の事情で扶養に入っていない家族もいることでしょうが、国民年金は1人1人確実に入っているものです。厚生年金であれば、扶養者の分は会社が手続きをしてくれますので問題はなく、扶養義務者1人で保険料を支払います。

しかし国民年金はそうではなく、家族それぞれに保険料が必要となり、請求がくるようになります。その人数分の納付が必要になるので、負担額は倍増するということになります。すこし厄介ではありますが、支払い必要のある金額として頭に入れておきましょう。

切り替えの手続きは郵送で行えないのか

国民年金の切り替え手続きは、郵送でも可能です。近くの年金事務所に問い合わせてみましょう。納付の開始時期は申請をした翌月以降となるので、すぐに支払わなければならないというわけではありません。

納付の仕方としては、口座振替や納付書での振り込みが一般的です。国民年金は、人によって厚生年金より金額が上がることもありますが、前納だと割引がきいたり、クレジットカード払いができたりするので、若干お得感があります。

他の制度

前納制度と反対に後納制度というものもあり、過去に納められなかった国民年金の保険料をまとめて支払えるというものがあります。過去に納められていない方はこれを機に納めてもよいかもしれません。

郵送の場合は、その手続きに必要な資料もあるので、前もって調べておくことが重要です。

国民年金手帳を紛失してしまった

国民年金手帳は再発行が行える

国民年金手帳を失くしてしまったという声は意外とよく聞くケースです。普段年金手帳を使うことがないので、タンスの奥底にしまってしまったりおざなりになりがちなので、仕方がないかもしれません。また、引っ越しをした際や結婚・離婚をした際に行方不明となることが多いようです。

こちらも近くの年金事務所にて手続きを行ってくれますので、焦る必要はありません。新しい年金手帳は後日郵送されますが、緊急性が高いものであれば即時交付も行ってくれます。

国民年金手帳を見たことがない

20歳以上になっているのに国民年金手帳を持っていない、見たことがないという人もまれにいます。そのような方は両親が管理しているか、もしくは受け取っていない可能性もあります。一度両親や年金事務所へ確認しましょう。

再発行に必要な書類

国民年金手帳を紛失等をして再交付を申請するときにももちろん必要な書類があります。

☑年金手帳再交付申請書
☑身分証明書

この2点です。必要書類は多くありませんし、年金手帳再交付申請書はインターネットからダウンロードして印刷をしたものでも可能ですので、取りにいかなくても問題はありません。

年金手帳再交付申請書の注意点

年金手帳再交付申請書には、基礎年金番号を書く欄があります。年金手帳をなくしたから来ているにもかかわらず、年金手帳がないと分からない基礎年金番号を書かなければいけません。よって、インターネットからダウンロードしても番号がわからなければ本末転倒です。年金事務所に直接赴いた方が確実でしょう。

また、基礎年金番号は、国民年金保険料の納品書や口座振替通知書など、送られてくる資料に記載されています。それでも分からなかった場合は、会社員の方だと会社の総務課の方ならわかる可能性もあります。

早めの国民年金への切り替えが大事

会社勤めをしているとなかなか気づきにくい年金保険料ですが、退職すれば自分で手続きをしなければなりません。退職する際は再就職先を探すのも大切ですが、国民年金に切り替えることも必要な手続きなので、調べておくことが大切です。

年金手帳も失くす方が多いので、これを機に重要書類や印鑑等をまとめて忘れないところへ収納しましょう。いざというときにバタバタしないためにも普段からの意識が大切です。

 

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