法人税とは? 節税対策をしっかり理解し損のないようにしよう

法人税を節税したい、売上を出したところで大きな税金を払わなくてはいけない。これは法人のみならず個人の経営者にとっても大きな悩みです。しっかり経費で落とせる範囲を確認することで、会社にとって大きなマイナスにならないよう対策をとりましょう。

目次

法人税の対策

法人税で苦しまないようにする

会社のかかる法人税も個人にかかる所得税も、1年間の利益に対してかかる税金です。この税金計算の「利益」が、毎年コンスタントに出ていれば法人税も安定して納税できます。しかし、今年だけで大きな利益が出たような突発的な場合は、翌年の予定納税など同じ調子で法人税の納税を続けていくことは経営上苦しくなります。

法人税を支払うために会社が苦しむのではなく、相応に負担できるだけの法人税にするために「将来のためになるように利益を保存しておく」「設備投資しておく」「社員を増やしておく」などの方法で、好循環になるように利益を活用することが、正しい節税対策といえます。

合法的な方法を選ぶ

節税対策をとりすぎるあまり、なんでも領収書を切ったり、接待など自分の娯楽も含め経費で落とそうとするのはNGです。税務調査の際に徹底的に領収書をチェックされた際に政務調査で必ず引っかかってしまいます。税務調査とは3年前からさかのぼって実務調査が入りますので、否認やミスを指摘された際には高額な支払いをすることになります。

実際支払わなくてはならなかったお金を支払わなっかった際に発生する税金は追徴税といい、その種類には重加算税、延滞税があります。しっかりと経費で落とせる範囲を確認し、業務に必要な経費、会社にとって必要な経費を計上するようにしましょう。

対身近な身の回りから

社員の遠距離の出張費

営業等のために宿泊を伴う出張が多い会社の場合、「出張旅費規程」を作成し、出張手当の制度を整えることが節税につながります。これは会社にとっても従業員にとってもメリットが大きいので普段から節税対策として行っていきましょう。

会社が従業員に「出張旅費規程」に基づいて決まった額を「出張手当」として支給した場合、会社の業務上必要な経費なので全額が損金に算入されます。法人以外にも消費税との関係でメリットがあります。「出張手当」は事業活動自体のための費用とされ消費税の課税の対象になりません。そのため消費税の節税になります。

経費に計上されていない細かな出費

実際に支出している経費に計上されていない支出を探していきます。個人契約の携帯電話代、通勤費、社長の自宅の家賃など、会社の業務として使っている按分経費、光熱費も同様です。個人のクレジットカードで支払っている経費については、個人名義のクレジット明細から経費になるものを探します。見落としがちな支出で一番多いのが、上記で説明している日々営業している社員の出張費です。

遠距離出張の場合の日当の算出、電車代の会社への請求なども忘れているケースがあります。欲しくても我慢していた必要な物品の購入や広いオフィスへの移転、社員雇用も有効な節税対策になります。ガソリン代や、接待費、消耗品費など、見落としがないか再確認することで、細かい漏れをなくすことができます。少しでも経費に計上できるものがないか出費を見直しましょう。

車の減価償却を行う

原価償却費とは、資産を購入した際に、その資産の代金の額を、何年度かにわたって費用として計上するものです。減価償却の期間、何年間にかけて減価償却費を計上していくかは、資産の種類によって決まってきます。これを「法定耐用年数」といいます。

自動車は、新品であれば4~6年で償却することができます。車の償却は個人事業主は定額法、法人は定率法で計算します。この2つの方法は届け出をしなかった際の償却法で、税務署に届け出をすることにより、これら以外の償却方法を選ぶことができます。自動車を節税を前提として購入する場合は、会社の資産を少しでも多く残したいという考えものとで選びます。

そのため会社によりお金を残すことを考えると、節税のことだけでなく無駄な維持費は極力避けることが大切です。自動車保険は、保険料の高いものもありますのでコストが高ければ会社に資産を残せませんので、維持費がどの程度か比較して自動車を購入しましょう。

新しく社員雇用を行う

雇用保険の対象となる従業員を増やすことで節税対策になります。制度の名前は「雇用者の数が増加した場合の税額控除」というものです。青色申告している法人や個人事業主が雇用保険の対象となる従業員を前年度に比べて2人以上増やした場合、増やした人数×40万円の金額を(法人税や所得税の20%が上限)税金から減らしてくれるものです。

重要ポイントは手続きのタイミングです。年度が始まって2ヶ月以内にハローワークに書類を出すことが要件の1つであることと、期間限定の制度で適用タイミングであることです。雇用保険の対象となる従業員が増加していることが条件なので、新規開業した個人事業者や設立初年度の法人は受けることができません。

法人税の対策での注意点

他人任せにしない

消費税10%への引き上げを2019年10月に決定されましたが、今年度の法人税減税に加え、2018年度からさらに法人税を引き下げようとしているため、将来的な消費税増税の下準備が始まっている現状となります。消費税増税の代わりに、法人税を引き下げて企業に余力が生まれたとしても、増税で消費が停滞するため、企業の利益は還元されたり、内部保留に蓄積されたりして、企業で働いている従業員の報酬や国内建設には向かいません。

その結果、国民の雇用は増加せずに所得差が拡大し、資金の海外流出によって経済効力はマイナスに転じることになります。自信でしっかり方向性を考え、計画的に税対策をとる必要があります。他人任せにせずにしっかり自分で管理しましょう。

将来的に負担が増えないようにする

会社の出資金をおさえて税金の負担を減少させる必要があります。例えば、消費税は出資金を1,000万円以下にすると設立から2年間は売り上げに関係なく支払う必要がありません。また、出資金を1,000万円以下にすることで「法人住民税」の均等割が低く抑えられます。ただし、均等割は出資金や従業員数をもとに課税されますので注意が必要です。

また、売上金を計上する時期を見直すことです。商品の売り上げを「商品を発送した日」としている会社の場合、売り上げの計上時期を「取引先が品物を検収した日」に変更することで売り上げ・事業所得が節税につながります。

節税対策は会社の規模によって異なりますが、課税率がかけられる事業所得を減らすことが効果的ですので、将来的に負担が増えないように対策をとっておきましょう。

利益のない無駄な経費の使い方はしない

経費を使うことの意味をよく理解し、会社の出資には変わりないため無駄な使い方はしないように確認しましょう。

☑ 1.期末に利益が見込めているか…経費は会社に必要なものを費用計上するこのですので会社の利益を小さくする行為です。期末に利益が見込めないということは法人納税額も少ないということなので、無理やり経費を使ってはいけません。

☑ 2.キャッシュフローが悪くならないか…半年後の決算で大きな利益が見込めそうだから経費を使うという考え方で使います。ただし、会社にはキャッシュフローの波が必ずあります。もし期末に利益が出るとしても、その過程でキャッシュショートを起こし借金が必要になっては元も子もありません。キャッシュフローを予測し、必要なキャッシュとその時期をしっかり見極めていきましょう。

☑ 3.本当に必要なものなのか…社長が楽しみたいだけ、また見栄を張りたいがためだけのために全部経費として出すケースはよくありますので注意しましょう。

税理士と相談しつつ自分でもしっかりと理解した上で将来性のある対策をしよう

経費は湧いて出てくるものではありません。経費で落とすということはあくまでも利益が出ている会社がおさめるべき法人納税額を少なくし、費用対効果の高いお金の使い方をするための考え方です。会社が黒字でも赤字でも売り上げをつくるために経費を使う場合はありますし、それは必要なコストだといえます。

経費を使う場合は節税をメインに考えるのではなく、今後会社が使うべきお金を見越して先に使うことで「会社の成長の時短」と「節税」という2つのメリットを享受できる考え方をもたなくてはなりません。この考えは社員にも必要で、会社全体が効率のよい経費の使い方ができれば、給料に反映される可能性が高いのです。税理士と相談しながら、しっかりと税について理解したうえで経営を行っていくようにしましょう。

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