節税というと企業がするものと考えがちですが、個人単位でも節税は可能です。早くから準備しておくことで、支払う税金を減らし、他のものにあてることができるようになります。たくさんの節税方法を知り、賢く節税して少しでも生活を潤しましょう。
目次
個人での節税
控除対象の民間の保険
個人での節税は、企業で行うほどには大きな金額を節税することはできません。大きな理由としては、収入の規模が違い、支払う税金額が異なることがあげられます。ですが、個人にとっては、数万円、数千円の節税であっても、大きな違いと感じられるかもしれません。
このことから、近年、個人での節税も注目され、さまざまな方法が考えられています。当然、法律に違反しない範囲で、少しでも得をするために税控除の枠をうまく使っていくとよいでしょう。
まずは、昔からある定番の方法として、保険料控除があげられます。控除対象の民間の保険に加入しておき、年末調整や確定申告の時点で、保険料控除枠を使い、節税を行う方法です。これは、保険に加入しておき、年末に届く証明書類を利用すればOKです。
保険に加入しているのであれば、ぜひ利用したい節税方法です。漏れの無いように行いましょう。また、保険控除の枠が余っているようであれば、節税のために、他の保険に加入する方法もあります。この場合は、掛け捨てではなく、掛けた以上に戻ってくるような保険を選ぶとよいでしょう。子供がいるのであれば、学資保険もおすすめです。
確定拠出年金に加入する
確定拠出年金も、ほとんどのものが税控除の対象になります。確定拠出年金は、掛けた以上に年金が戻ってくることが保障されているものも多いです。長期的に見ると非常に得な制度となっています。
さらに、節税も行えるというのであれば、短期的にも得になりますので、負担にならない程度に加入しておくとよいでしょう。もちろん、ある程度の金額を支払う必要はありますので、節税のために加入しすぎて、生活が苦しくならない程度に抑えるようにしておきましょう。
ふるさと納税制度を使う
ふるさと納税は、近年非常に人気が高まっている、個人でできる節税方法です。本来住民票のある自治体に収める住民税の一部を、他の自治体に収めることができる制度で、控除対象額が収入や扶養の有無などに応じて決められています。一定金額までは、ふるさと納税を行っても自己負担は2000円までで済み、残りの金額は翌年の住民税から引かれることになります。
さらに、ふるさと納税を行った金額は寄付金として所得税控除の対象となりますので、確定申告時にも税還付があるのです。このように、ふるさと納税では、税制度上の優遇が受けられることから、近年注目を集めています。
ですが、最大の人気の理由は寄付した際の返礼品にあります。ふるさと納税が可能な自治体のなかには、寄付された金額に応じて返礼品を送っているところも多く、なかには非常に豪華な内容となっているところもあります。実際の寄付額が1万円であっても、返礼品は数千円相当以上のものがもらえることもあるので、感覚的には、安く買い物をしたような気持ちになるのです。
ふるさと納税をうまく使って、自己負担2000円以内で多くの返礼品を受け取ることができれば、かなり得をすることができるでしょう。返礼品は肉、果物、米など、各地の名産品が多数揃っていますので、一度みてみてくださいね。
個人事業者が行う節税の方法
経費を幅広く見直し細かく節税
個人事業主の節税は、経費の見直しから始めるとよいでしょう。これまで経費に入れてこなかったものでも、洗い出すことで、実は経費に入れられることが分かることもあります。とくに、居住地を仕事場にしている場合は、住居の電気代や水道代も、一部経費として入れることができることもあります。
損の無いように、細かく経費を見直していきましょう。携帯などの通信費、文房具、家族への給与支払いなど、見落としているのであれば非常に損をしていることもあります。一度、経費にすることができるものがないか、見直しを行いましょう。
確定申告は青色申告で
個人事業主の確定申告は白色申告と青色申告のどちらかを選ぶことができますが、税制上の優遇措置を多く受けられるのは青色申告です。青色申告であれば、特別控除の最大65万円に始まり、多くの税控除を受けることができます。家族への給与支払いが控除対象になるなど、比較的大きな節税が可能な要素もありますので、一定以上の所得があるのであれば、青色申告を選ぶとよいとされています。
一方で、青色申告は事前申請が必要であり、白色申告に比べ、帳簿作成の作業が煩雑になりますので、負担に感じる個人事業主が多いことも事実です。この点をよく検討し、青色申告を選択すべきか決めましょう。
経営セーフティ共済に加入する
個人事業主の場合、雇用されている会社の保険などに入ることができませんし、雇用保険なども適用外です。ですが、個人事業主にとって取引先の突然の倒産などで、収入を断たれる可能性は常にあり、不安定な毎日を送っています。
そういった不安を和らげるための保険のようなものが、経営セーフティ共済です。加入要件をクリアすれば、加入することでさまざまな補償を受けることができるようになります。基本的には、中小企業などが、取引先の倒産により連鎖倒産することを防ぐためのものです。貸し付けなどを一時的に行うことで、中小企業をまもるなどの補償があります。
この経営セーフティ共済の加入のためにかかるお金は、経費として計上できますので、結果として節税にもつながります。
税理士と共に法人化を検討する
個人事業主が事業に成功して、一定以上の所得を継続して得られるようになった場合は法人化することを検討してみてもよいでしょう。法人化することで、より節税を行うことができるようになります。
ただし、法人化することで事務作業が増えることがあります。さらに、事業で収益が上がらない場合であっても、法人住民税を支払わなくてはいけないなどといったデメリットもあります。この点は、非常に重要ですので、税理士とともによく検討したほうがよいでしょう。
節税の注意点
車の購入は事業関連の目的を明確に
車の購入は事業関連の目的を明確にしておくようにしましょう。これをはっきりとさせておかないことによって、のちのち税務署から調査が入り、税金対策での購入であることが指摘されてしまうかもしれません。
また、事業目的で車を購入した場合は、減価償却を行うことになりますので、購入した金額すべてを経費に充てることはできません。この点も、車の購入時に注意すべき点と言えるでしょう。減価償却を行うことで、複数年にまたがって、経費計上することとなります。
前もって手続きを行う
節税のためには、前もって手続きを行っておくことが必要です。保険の加入であれば、年末に加入しても、年内に支払った分しか控除の対象になりません。ふるさと納税も、年内に行っていなければ、控除対象になりませんので、年間の所得を推測して、自己負担2000円内に収まる金額を計算しましょう。この他にも経費として計上できるものの中には減価償却が必要なものもあり、年末に購入しても、あまり節税にならないこともありますので、注意しましょう。
いずれにしても、前もって準備しておくことが必要です。医療費控除なども受けられるように、領収書はしっかりと保管しておきましょう。この他にも、薬局などで購入した薬などのレシートも取っておくようにすると、税控除が受けられることもあります。
あらかじめ節税の準備を積み重ねてしっかり申告しよう
節税は計画的に準備しておくことで、より効果的に行うことができるのです。保険の加入や、ふるさと納税など、あらかじめ一年間の収入の予測を立て、損の無いように節税を行いましょう。とくに、ふるさと納税の返礼品は、人気のものは早い時期に無くなってしまいます。確実に手に入れたいのであれば、1月など、申し込み開始と同時にふるさと納税をするとよいでしょう。
この他にも、収入を調整できるのであれば課税額が少しでも少なくなるように調整し、個人単位でうまく節税対策をしていき、生活を潤す工夫をしていくとよいでしょう。