年末調整の保険料控除で得をしよう。少しでも節税したいあなたの為に

年末調整というと、毎年行われる作業で、なんとなく過ごしていることもあります。実は、大きな節税のチャンスなのです。年末調整をうまく利用して、払う税金を少しでも減らし、得をする。あらかじめ準備しておくことで、節税の可能性を広げましょう。

年末調整で控除の対象となる保険の種類

自身が加入している生命保険料

年末調整で損をしないために、控除対象となる保険は、もれなく申請するようにしましょう。まずは、年末調整で控除の対象となる保険について知りましょう。年末調整を行われるということは、いずれかの会社などに勤めているということになります。この場合、健康保険に会社経由で加入していることでしょう。保険といっても、年末調整の際に自分で給与の担当者などに申告する保険は、この部分以外の保険になります。

この場合、自分で加入している生命保険などが該当します。子供の学資保険も年末調整の控除対象になりますので、入っているのであればもれなく申請するようにしましょう。こういったものは、年末調整の時期が近づくと、保険会社から通知が来るようになっています。証明書類が郵送されてくることが多いので、保管しておき、年末調整時に使用するようにするとよいでしょう。生命保険料であっても、会社経由で加入している団体保険などは、会社の方で自動的に控除してくれていることもあります。その場合は、年末調整時に、書類に記載があるなど、分かるようになっていることでしょう。

民間の地震保険料

年末調整で控除できる保険に、民間の地震保険料があります。これは、住宅などを購入した際にかけることが多い保険で、加入しているのであれば忘れずに申告しましょう。

保険料は控除対象になることで、その分の金額にかかる税金が免除されることになります。結果として税金が戻ってくることになりますので、節税対策として、保険に入っておく方法もあります。節税のために保険に入るのであれば、掛け捨てではなく掛けた保険料以上、またはそれに近い金額が戻ってくるタイプの保険に加入すると、損がなくてよいでしょう。または、必要不可欠なものに加入するとよいです。

給料から控除されている以外の国民健康保険料

給料から控除されている以外の健康保険料を支払っている場合、こちらも控除対象になります。これは、転職をした際などに発生しやすく、忘れてしまうことも多いため注意しましょう。

たとえば、転職をし、前職と年末調整をする会社との間にブランク期間があり、1ヶ月単位などで国民健康保険に加入している場合があります。この場合は、わずかの期間だけ国民健康保険料を支払っていることになりますので、その金額が年末調整時に控除対象として引かれることになるのです。

このことは、比較的レアケースであることから、人事給与担当者が注意喚起してくれないことも多いです。自分でしっかりと覚えておき、申告しましょう。

一般の個人年金保険料

いわゆる国民年金、厚生年金と言われる加入が義務付けられているもの以外に、個人で加入できる年金があります。これは、民間の保険会社などが用意している年金で、老後の年金を少しでも増やすため加入する人が多いようです。

一方で、この個人年金も年末調整の控除対象になります。個人年金は、多くの場合掛けた金額以上に年金としてかえってくるので、節税対策としても人気があります。個人年金に加入し、年末調整で控除対象にすることで、長い目で見れば損をすることなく節税ができるのです。

こういった保険や年金が各保険会社に多数用意されていますので、生活費に余裕があるのであれば、加入をしておくと得でしょう。

住宅ローンの控除

住宅ローンの残額がある場合も、年末調整で控除対象とすることができます。住宅ローンは金額が大きいことから、高い節税効果が期待できます。忘れずに申告し、税控除を行いましょう。場合によっては、その年の所得税支払いがなくなることもあるくらい、大きな金額です。

なお、住宅ローンを年末調整で控除できるのは、2年目からです。1年目は確定申告が必要ですので、これも忘れないようにしましょう。また、住宅ローンが税控除されるためには、いくつか条件があります。とくに、住宅ローンを組むときに、10年未満の返済予定にしてしまうと対象外となってしまいますので、注意しましょう。

また、ローンの繰り上げ返済をするときは、年末よりも年始に行う方が得である場合があります。年末に返済した分は、年末調整の控除対象にならないため繰り上げ返済で返す金額が大きいと、ローンの利息と比べても損をしてしまうことがあります。計算してから繰り上げ返済を決めるとよいでしょう。

年末調整で控除を申請するときのポイント

保険料控除証明書は保管しておく

年末調整で少しでも多く控除の申請をするためには、保険料控除の為の証明書はしっかりと保管しておきましょう。これをなくしてしまうと、保険料の控除ができなくなってしまいます。年末調整の時期が来ても届いていない場合は、保険会社に確認するなどして手に入れるようにしましょう。

もし、無くしてしまった場合でも、保険会社に頼むことによって、再発行してもらえる場合もあります。ギリギリになると間に合わない場合もありますので、なるべく早めに用意しておくようにしましょう。

会社経由で加入している保険の場合は、会社の方で書類を含め用意してくれている場合があります。初めての年でよくわからない場合は、事前に聞いてみてもよいでしょう。

出し忘れた場合は再年調できる

年末調整は、12月末を過ぎても再年調をすることが可能です。この場合は1月の給与から調整をすることになります。また、忘れたわけでなく、税の還付が多く12月の給与で調整しきれなかった場合も、1月の給与で調整することになります。

このように、年末調整自体は1月の給与からでも調整が可能ですが、給与の担当者としては、再調整を行うことは非常に手間のかかる作業となるでしょう。そのため、忘れていたなどの理由の場合は、年末調整ではなく確定申告を行うように指示を出される可能性もあります。こういった場合は、職場の方針に従うようにしましょう。

確定申告は手間はかかりますが、年末調整では控除できない項目も控除対象になっていることがあります。たとえば、「ふるさと納税」のような寄付金も控除することができるため、該当するものがあれば忘れずに申告するようにしましょう。

医療費控除は確定申告で受けられる

年末調整と混合されがちですが、確定申告というものがあります。確定申告は、個人で別途行うものですので、会社で行うことはありません。そして、医療費控除は、年末調整ではなく、確定申告で受けることができるものです。

これは、1年間の医療費や個人で購入した医薬品の金額が一定以上かつ条件を満たせば、税控除の対象になるものです。この控除を受けるためには、医療機関を受診した際などの領収書を保管しておく必要がありますので、1年間の間にしっかりと管理しておきましょう。

とくに、出産をした年や入院をした年は、医療費が高額になっていることが多いので、ぜひ、領収書を保管しておくようにしましょう。一定額以上は高額医療費の返還などで返ってきているため、この部分は対象にはなりませんが、大幅な節税になる可能性があります。

5年前の分まで遡って申告することが可能

年末調整で控除できるものは、最大5年前の分まで遡って申告することが可能です。このことから、前年に忘れていた内容であっても、年末調整に盛り込むことができると思われがちですが、少し違います。

年末調整は、個人で行うものでなく職場の給与担当者が行うものです。何年も前のものを多くの人が年末調整に申告することで、確認作業が煩雑になる、または確認が不可能になることは、容易に想像がつきます。このことからもわかるように、年末調整をし損ねた部分に関しては、個人で確定申告が可能ということになります。そして最大5年間可能ですので、忘れていたものがあれば早めに申告するようにしましょう。

提出後は源泉徴収書を必ず確認する

年末調整が終わると、1月以降に源泉徴収書をもらうことができます。これを見ることで、年末調整が正確に行われたかどうかの確認ができますので、必ず確認するようにしましょう。源泉徴収書には、総支給や税額など、知っておくとよい情報が多く記載されています。必ずチェックして保管しておくようにしましょう。

住民税は、源泉徴収書の金額に基づいて決まるため、翌年の支払額を自分で計算することもできます。このほかに、保育園の利用料などのおおよその目安がわかる資料としても利用できます。

確定申告を行う際には、この源泉徴収書が必ず必要になります。また、住宅ローンを組む際などにも、必要とされることが多いため、無くさないように保管しておきましょう。無くしてしまった場合は職場で再発行してもらうことも可能ですが、個人情報を多く含むものであることから紛失には気を付けましょう。

保険会社の記入は略称でもOK

年末調整をする際に、保険会社の正式名称が長すぎて欄内に収まらないこともあるでしょう。そういった場合は、保険会社の名前は略称でもOKです。証明書類を一緒につけて出すこともあり、給与の担当者がきちんと確認できれば、問題ないといえます。

他にも、保険のサービス名が長すぎるときなども、同様に略すことが可能です。無理に小さな文字で詰め込むと読めなくなってしまうため、どうしても心配なら給与担当者に確認しましょう。このほかにも、分からないことがあれば、給与の担当者に確認しながら、漏れが無いように行いましょう。

年末調整の基本的な情報は、国税庁のホームページに、毎年更新されて記載されます。分かりやすくまとめられたパンフレットや手引きもありますので、参考にするとよいでしょう。

年末調整で保険料控除する際のチェック項目

配偶者の所得の確認

年末調整で、チェックすべき項目はいくつかあります。まずは配偶者がいれば、所得の確認を行う必要があるでしょう。配偶者の所得によって、扶養に入れるかどうかが変わるのです。配偶者の年間の所得が38万円以下であるなど条件を満たせば扶養に入れます。このことにより、配偶者控除の対象となり、税控除を受けることができるようになります。

この他にも、配偶者特別控除を受けることができる可能性もあり、配偶者が控除を受けられる対象であるかなどは、細かくチェックしておくとよいでしょう。給与の所得者の合計所得が1000万円を超えると控除を受けられないなど、収入以外にも条件があります。

また、この場合の配偶者は民法の規定にある配偶者のことを指し、内縁関係のものは含みませんので注意しましょう。内縁関係であっても、保険などの扶養には入れることもあるので、一致しない場合もあるということを覚えておきましょう。

 

同居していないが扶養している親族の記載

同居をしていないが扶養している親族がいる場合も、記載が必要です。この場合も控除の対象にあるため、漏れが無いようにしましょう。その年に送金した合計額を記載するなど、同居の親族とは違った手続きが必要になります。送金の事実がわかる証明書類などを求められることもあるでしょう。

また、親族が国外に居住している場合には、「親族関係書類」と「送金関係書類」というふたつの書類を会社に提出する必要があります。「親族関係書類」とは、戸籍の写しなど、その親族が納税者の親族であることを証明する書類のことで、外国で発行されたものも含みます。また、「送金関係書類」とは、送金の事実が分かるもので、金融機関などで発行される書類のことを指します。

上記の書類を提出することで、控除を受けることが可能となります。該当する場合は、早めに準備しておきましょう。また、親などを兄弟で共同で扶養している場合は、いずれか一人しか控除を行うことはできません。重複しないように気を付けましょう。

16歳未満の扶養家族の記入

16歳未満の扶養家族がいる場合は、記載をするようにしましょう。この欄は、「住民税に関する事項」とされており、翌年の住民税に関わってくる欄です。この欄に記載をしてもしなくても所得税には影響しません。これは、16歳未満の扶養家族は、所得税控除の対象とはならないということです。

ですが、住民税は、扶養の人数に応じて非課税基準がある場合があり、金額によっては、住民税の部分で有利になることもあります。無理に調整することはできませんが、忘れずに書いておくことで損をしないようにしましょう。

節税のために年末調整でしっかり保険料控除を受けよう

節税のために、年末調整では保険料控除で漏れの無いようにしましょう。自分で加入した保険に関しては、自分で申請しない限り控除対象になりません。本来支払わなくてもよい税金まで支払うことの無いように、忘れずにすべて申告しましょう。

このときに面倒だからと言って、控除対象の保険や住宅ローンの申告を忘れてしまうと、大幅に損をすることもあります。税金は思っている以上に支払っており、一生で考えると、非常に大きな出費になります。毎年数万円でも節税ができるのであれば、数年や10年単位で考えると、大きな支出減につながります。

すこしでも賢く節税できるように、工夫して考えましょう。早めに対策しておくことで、節税のチャンスは広がり得をすることができるのです。

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