個人事業主にとって避けては通れない確定申告。経費をきちんと申告することで節税対策に効果的です。経費として計上するために欠かせない領収書について正しい知識を身に付け、賢く管理していきたいですね。確定申告に向け少しずつ整理していきましょう。
目次
個人事業主が経費にするために必要な領収書の種類
明細が印刷されているレシート
個人事業主は、事業の運営に関する支払いを経費として計上することで、節税効果が期待できます。経費として計上するために必要となるのが、レシートです。レシートは、ほとんどの場合に発行され、店舗名や日時、購入したもの、数量、金額などがしっかり記載されています。
明細がしっかり印刷されているので、内容も明確であり、経費としてしっかり計上できるでしょう。基本的には、このレシートがあれば経費として認められ、証明書として使用することができます。購入する店舗によっては、さまざまなものを複数買うこともあるでしょう。
経費として計上できるものと、できないものが混在している場合には、経費として計上するものに印をしておくとわかりやすくなります。
手書き領収書は具体的な内容を裏にメモする
領収書というと手書きのイメージが強い人も多いでしょう。レシートを発行されても、わざわざ手書きの領収書をもらっているという人も少なくないのではないでしょうか?実際には、手書きの領収書よりも、印刷されたレシートの方が内容が明確で、証明書として役立ちます。
手書きの領収書には、店舗名や日付、金額、但し書きなどが書かれていますが、実際には何にどのくらい使用したのかが不明瞭です。手書き領収書をもらう場合には、購入したものなどの具体的な内容を裏面に書いておくとよいでしょう。
また、飲食店の場合には、取引先の会社名や人数などを書いておくのも忘れないようにしましょう。
メールの領収書はプリントアウトして利用
最近では、ネット通販などで買い物をする人も増え、メールなどで領収書が届くケースも少なくありません。また、携帯電話や光熱費などの請求書などが、ペーパーレス化され、メールやインターネット上で表示されるだけのこともあります。
その場合には、請求書や領収書などをプリントアウトすることで利用可能です。パソコンやスマホ上で確認した領収書などは、印刷して残しておく癖をつけておくと安心でしょう。
交通費や慶弔費は出金伝票を使う
少額の交通費や、冠婚葬祭で贈られる慶弔費など、レシートや領収書の出ないものについては、出金伝票を使うことで領収書と同じ扱いをすることができます。自動販売機の使用時や、レシートや領収書の紛失時などにも使用できます。
この場合、自己申告以外に証明できるものがありません。出金伝票には、日付や支払先、項目、金額などを明確に記入することで、支払った証をしっかり残すことができます。
領収書レシートの整理方法
費目別に仕分けして保管しておく
領収書は、形やサイズもさまざまなため、工夫して保管しておく必要があります。ただ残しておくだけでは、バラバラになり、いざ確認したいときに見つけることができません。確定申告の際に提出する必要はありませんが、証明書としてきちんととっておく義務があります。
領収書を整理する方法として、まず、費目別に仕分けすることが大切です。経費として申告する際には、費目ごとに金額を記入していきます。水道光熱費や租税公課、旅費交通費、消耗品費など、さまざまな項目が存在しています。
領収書も費目別に分けておくとわかりやすく、申告の際に便利でしょう。
日付順に仕分けして保管しておく
費目別に分けたあとは、その費目の中で、さらに日付順に分けておきましょう。日付順にしておくことで、探したい領収書を見つけやすくすることができます。店舗名や金額などはさまざまですが、日付は統一することができるので、まとめやすくなります。
日付順にするのが手間である場合には、月別に一括りにしておくだけでもよいでしょう。見返したいときに探しやすくなります。
手軽な封筒保管と後から見やすい用紙に貼る保管
領収書の保管方法としてよく用いられているのが、封筒を利用した方法と、紙に貼る方法です。封筒保管は、費目や月ごとに封筒を分けて領収書を入れていくだけなので、手軽にできる方法です。忙しくなかなか整理する時間がとれない人も、比較的取り組みやすいでしょう。
領収書の大きさや量に合わせて、封筒の大きさを変えたり、じゃばら式のファイルを利用したりと応用して取り入れることもできます。もう一つの紙に貼る方法は、ノートやコピー用紙などに領収書を貼っていく方法です。
費目や日付によってページを分け、少しずつずらして貼っていきます。こうすることで、形やサイズがバラバラの領収書は、見やすく、きれいに保管することができます。どちらの方法でも自分に合った方法で行うことで、継続しやすく、まとまりのある保存が可能です。
領収書は、記帳さえしてしまえば、自分ではなかなか見返すことはありません。ほとんどの場合、そのまま保管しておき、調査などがあるときにチェックするだけで、一切見ないなんてことも。自分なりに工夫して、無理のない範囲できちんと仕分けておくことが大切です。
個人事業主の領収書の保存方法
個人事業主の領収書の保管期間は7年間
個人事業主にとって、確定申告は毎年の恒例行事。売り上げや経費などをきちんと申告することで、所得金額や所得税が確定します。かかった経費は、もれなく申告して、少しでも支払うべき税金を少なくしたいもの。
経費を申告する際には、領収書の提出は必要ありませんが、領収書は、証明書として7年間保管しておく義務があります。申告した内容に、疑問点がある場合には、領収書の提出を求められることもあるため、必ずとっておきましょう。
年度末の申告は無事クリアできても、突然入る税務調査で再度確認が必要になることもあります。保存しておくべき書類は、きちんと整理して、保管しておくことが大切です。
税務調査に備えて各月別にまとめて保管する
突然やってくる税務調査。行われるのは法人だけではありません。個人事業主も同じように調査が入るため、税務調査に備えた保管方法が大切です。各月別にまとめて保管しておくと、確認が必要な場合に、すぐ見つけることができるでしょう。
自分がわからないものを、他人に説明するのは難しいもの。あやふやな受け答えをすることで、調査員に不信感を持たれてしまうこともあるため、明確にしておく必要があります。すべてを細かく整理する必要はありませんが、見返したときに、わかりやすいような工夫が大切です。
感熱紙のレシートは取扱い注意
レシートや領収書に多いのが、感熱紙です。感熱紙は、長い期間保管しておくと、文字が消えてしまうことがあるため、領収書として保管しておく場合には注意が必要です。特に、領収書は、7年間保存しておかなければならないという義務もあります。
7年もの長い間、そのまま保管してしまうと、文字が消え、確認したくてもできないという事態になってしまうでしょう。感熱紙に記載された内容をしっかり保管するためには、コピーをとるという方法があります。
また、スキャナーで読み取って、電子保存するという手もあります。以前は、金額などさまざまな制約が多かった電子保存ですが、法改正により、広く活用されるようになってきました。1年でかなりの量になる領収書を、7年分保存しておくとなると、ある程度のスペースが必要です。
電子保存が可能になることで、スペースも必要なく、管理もしやすくなるでしょう。
領収書の整理と正しい管理で確定申告に備えよう
確定申告というと、とにかく面倒くさいイメージで、嫌々こなしているという人も多いでしょう。確定申告は、経費をしっかり申告できる場であり、節税対策としても重要なもの。大変な作業をできるだけスムーズに行えるよう、普段から領収書を整理しておきましょう。
領収書は、必要だからといって、ただとっておくのではなく、いざというときに見つけやすくする工夫が大切です。徹底してきれいに整頓しておく必要はありませんが、ちょっとした心がけで、見やすく、出しやすくすることが可能です。
確定申告の時期に慌てることのないよう、領収書は正しく管理しましょう。