手続きは早急に。退職後の雇用保険離職票発行と正しい提出方法とは

退職をしたものの、次の就職先がみつからないため、失業給付金をもらおうとしている人が多いようです。しかし、その際に雇用保険離職票というものが必要。会社から離職票が届かない場合は、請求も必要です。早急な対応と提出を心がけましょう。

雇用保険離職票とは

離職票の発行は会社側で行う必要がある

離職票とは、退職した従業員が手当等を受給申請するために必要な書類。離職票は自分で提出するものですが、離職証明書は会社が提出するものとなっています。

どちらも会社がしてくれるものですが、まれに忘れられることもあるのできちんと確認しましょう。発行しなければならないという決まりがあるわけではないので、自分で会社に必要な旨を伝える必要があります。

離職票には期限が定められており、退職した従業員が被保険者の資格を喪失してから10日以内です。期間が短いのであらかじめ会社に必要であると報告しておきましょう。

離職票発行の有無を退職者が決める

先述したように、離職票が必要かどうかは退職した本人が決めます。よって会社に聞かれなかったからといってそのまま放置していては届きません。

離職票が必要かどうか聞いてくれる会社も多いですが、自己申告をしなければもらえないところもあるので注意が必要です。

また、申請していても忘れられている場合や、書類は準備したが郵送までできていないなどさまざまな理由で届かない場合もありますので、失業保険等申請する場合は、必ず会社に確認しましょう。

事業者が離職証明書を提出し発行される

離職証明書を会社がハローワークに提出することによって離職票が発行されます。つまり会社が離職証明書を提出していなければ、いくら待っていても離職票は届きません。

従業員を雇用保険から脱退させるときに必要な書類ですが、離職票が不要な場合は提出はされませんので、きちんと必要であると報告しましょう。

会社と打ち合わせをしてスムーズに行おう

離職票と離職証明書は名前が似ているため混乱しやすいことも。また、手続きにも期間があり、失業手当を受給する場合は時間がかかってしまう場合もあるので、あらかじめ会社と打ち合わせをしているとスムーズに事が運びます。

離職者がハローワークへ提出する

会社が提出するものが離職証明書、個人で提出するものが離職票なので、間違えないようにしましょう。会社が離職証明書を提出してから離職票が届きます。

退職後、郵送で送られてくる場合が多いようですが、2週間以上経っても届かない場合は会社へ請求できます。また、次の職が見つかっている場合は離職票は必要ありません。退職日に受け取ることはできないので、必要な場合はどれくらいの期間で届くのか、また、郵送なのかどうかを会社に確認しておきましょう。

離職票は提出期限がある

離職証明書には提出期限があり、従業員が退職後、被保険者としての資格が失われてから10日以内ときめられています。

離職票は、会社から離職証明書がハローワークに提出されてから発行されるものなので、会社が提出を遅れてしまっては離職票は届かないため、失業保険も受け取ることができません。失業保険を受給する予定であれば、提出期限もあるため、会社側に催促してもよいでしょう。

離職票はどのように使うか

再就職の意思を確認する

離職票があるということは、再就職の意思があると確認できるものになります。再就職する気がないのであれば、離職票は必要ありません。

また、再就職先に前職歴を証明できるものとしても使うことができます。失業保険をもらわないからといって離職票を受け取らない人もいますが、このような活用もできるので、もらっておいて損はないでしょう。

給付金を受けるための申請に必要

離職票を利用する一番の目的として、「給付金を受給したい」」ということではないでしょうか。離職票は、失業保険を受け取る申請をするときに必要となってきます。つまり離職票がなければ失業保険は受け取れないということです。

離職票がないと、失業給付金の支給額の算定もできません。もとより、失業保険給付金の申請すらできないため、離職票は必要不可欠です。

失業保険の受給金額や日数を算出する基礎となる

離職票には会社の勤務状況、つまりどれだけ出勤していたか、雇用保険の加入期間、退職理由などが書かれています。その記載事項を参考にし、失業保険の受給額や給付される日数などが決められるのです。

自分の都合で退職をした場合には、雇用保険に1年以上加入していなければ失業保険はもらえないという事実もあります。そのような点からも離職票が必要な理由が分かります。

また、現代では離職票にマイナンバーも記載しなければならないため、会社からマイナンバーを聞かれることがあります。必要な事項はきちんと把握しておきましょう。

離職票の離職理由について

離職理由は会社が記載する

離職票に記載される離職理由の欄は、履歴書と違って会社が記載します。離職理由が会社での都合なのか自己都合なのかにより、失業保険の金額も変わってくるのでとても重要です。

もし、離職理由に納得がいかなければ異議を唱えることは可能ですが、必ずしもその異議が通るとは限りません。異議を唱える上で、なぜ離職理由を変えるのか、正当な証拠が必要となってきます。

そして、その異議が通るかどうかは担当をしてくれた職員によることも。ハローワークが調査として会社に入ることもあるので、少々面倒かもしれません。

自己都合の退職の場合

自己都合での退職というのは、自分の意思で退職したり、引っ越しによってやむを得ず退職をした場合のことをいいます。多くの場合がこの自己都合での退職なので、失業保険の受給に不利になるということはないので心配いりません。

自己都合退職の理由として、結婚による家事の専念、学業に専念、退職後しばらく休養するなど、「現在失業中」とみなされない場合は失業保険を受け取ることができません。

失業給付金を受けとる上での注意

怪我や妊娠などでも失業給付金を受け取ることはできませんが、受給期間延長の手続きを行えば働ける環境が整った後に失業給付金を受け取ることができます。

また、自己都合退職による場合は、失業給付金を受け取るのに約3ヶ月ほどかかってしまいます。また、書類審査や面談、雇用保険受給説明会に参加しなければならないなどさまざまなな条件があるので、しっかり確認しましょう。

会社都合退職とは

自分都合退職とは対照的に会社都合退職とはどのようなものかというと、会社の経営不振によるリストラや倒産などによる退職のことです。早期退職制度というものがありますが、こちらで退職をした方も会社都合退職となります。

会社都合退職は、自己都合退職と違って失業手当を早く受け取ることができます。自己都合退職が約3ヶ月に対して、会社都合退職は約1ヶ月で受け取ることが出来ます。給付日数も自己都合退職が90日から150日なのに対して、会社都合退職は90日から330日とかなり違ってきます。

また、会社都合退職は解雇予告手当を受け取れる場合もありますので、漏れがないよう調べてみましょう。

会社都合退職のデメリット

給付期間が長いため、メリットが多いように感じる会社都合退職ですが、デメリットももちろんあります。再就職先に会社都合退職の詳しい理由はなんなのかと問われたときに、倒産などであれば問題ありませんが、「解雇」となると本人に原因があるのではないかと雇うのを躊躇してしまいます。

実際に解雇された方に多いのが、本人に原因があるということもあるため、解雇であれば自己都合退職のほうが再就職するのにはよい理由といえます。

正当ではない理由が記載されている

先述したように、退職理由に納得がいかなかった場合や、会社都合で退職したのに自己都合で退職と書かれていたりした場合は異議を申し立てることができます。

しかしその異議が通るかどうかは担当をしてくれたハローワークの方や状況次第。必ずしも離職理由を変更できるというわけではありません。

会社都合を自己都合と書かれていた

会社都合退職なのに自己都合退職と書かれてしまっていた場合、どういった理由から会社理由なのか証拠や資料を集める必要があります。ハローワーク側でも調査が入りますので、自分ですべてやらなければならないというわけではありません。

会社都合での退職の場合、退職となるまでにその証拠となる資料等を念のために集めておいた方が確実です。

離職理由にはコードもある

離職理由にはさまざまなものがあり、病気やケガであったり、給与面の問題、人間関係などがあります。それらを分かりやすく分類するためにコードが設定されているのです。

先述したように、離職理由によって失業給付金の金額が変わってきたりするので、一度自分でも確認しましょう。離職理由コードは以下になります。

☑1A(11)解雇

☑1B(12)天災等による事業の継続が不可能となった場合の解雇

☑2A(21)雇い止めによる解雇(契約期間満了など)

☑2B(22)倒産・退職勧奨・法令違反等の正当な理由のある自己都合退職

☑3A(31)事業主からの働きかけによる正当な理由のある自己都合退職

☑3B(32)事業所移転等に伴う正当な理由のある自己都合退職

☑2C(23)期間の定めのある労働契約の期間が終了し、かつ、次の労働契約の更新がないことにより離職したもの(更新を希望したが、更新できなかった場合)

☑3C(33)正当な理由のある自己都合退職(被保険者期間12ヶ月以上)

☑3D(34)正当な理由のある自己都合退職(被保険者期間12ヶ月未満)

☑2D(24)契約期間満了により退職(事業者・労働者同意のもと)

☑2E(25)定年退職・移籍出向

☑4D(40)正当な理由のない自己都合退職

☑4D(45)正当な理由のない自己都合退職(受給資格等決定前に被保険者期間が2ヶ月以上)

☑5E(50)背任行為・懲戒事由に基づく被保険者の重大な責による退職

☑5E(55)背任行為・懲戒事由に基づく被保険者の重大な責による退職(受給者資格決定前に被保険者期間が2ヶ月以上)

となっています。これらによって受給金額等が変わってしまうので、提出前に一度確認をしておきましょう。

離職コードには退職理由を表す

離職コードには、それぞれ退職理由が示されています。そちらに納得がいかなかった場合、異議を申し立てることが可能です。ハローワークによって、異議申し立てに必要な書類は若干変わってきますが、基本的なものは以下のとおりです。

☑訂正届(補正願)
☑離職証明書
☑被保険者資格喪失確認通知書

被保険者資格喪失確認通知書の事業主控えに、補正する内容の証明となる書類を添付しましょう。会社と自分に齟齬(そご)、つまり意見の食い違いがないかどうか確認しておきましょう。

離職票が必要になる場合は退職前に発行の依頼する

いろんな方がさまざまな理由で退職をし、失業給付を受けながら天職先を探すことでしょう。しかし、離職票がなければ、給付金の申請すらできません。漏れがないように、退職前には必ず会社に発行の依頼をしましょう。

また、離職票に記載されている離職理由も確認しておかないと不備や正当ではない理由が記載されている場合があると、再就職すら困難になります。辞めた後は自己責任なので、確認をしっかりすることが重要です。

さらに詳しく知りたい方は
税理士に無料相談LINEChatworkメール

関連記事