購入費だけじゃなく、登記費用も納得した住宅購入をしていこう

土地や建物を購入してみないとなかなか普段考えることもない登記費用についてですが、購入してみて実際に登記費用の支払いをしてみても、イマイチよくわからないという人も少なくありません。自分自身が納得したうえで、登記費用の支払いをしていきましょう。

目次

登記費用のしくみ

不動産を建築や購入した時には登記費用が必要

土地や建物を建築したり購入したりしたときは、所有権保存登記や移転登記などを行うために登記費用が必要となります。登記は不動産登記取引の国民権利保全の役割を果たしています。民法177条では、登記をしなければ第三者に対抗することができないとされています。

つまり登記をすることによって、所有する不動産の所有権を実質的に主張できるようになるのです。土地・建物の所在と面積、所有者の住所・指名など不動産に関する情報が公示されます。不動産を建築・購入した場合に、所有者が第3者にわかるように登記費用が必要になります。

登記費用は実費と司法書士報酬の合計額

一般的に登記費用とは、登記を行うことによる登録免許税・登記簿謄本代と司法書士や土地家屋調査士報酬(手数料、印紙税及び司法書士が要した交通費)の合計額を指します。司法書士報酬は各司法書士が報酬金額として定めているものなので、どの司法書士に依頼を行うかで金額が変動する部分です。

司法書士は購入した業者から紹介してもらえる場合が多いのですが、この司法書士報酬は登記費用の合計金額に大きく影響しますので、慎重に選んでいきたいところです。

登記費用と登録免許税について

登録免許税とは、不動産の登記を行う時にかかる国に対する税金です。マンションなどの不動産を購入する場合、新築の建物を建築するときに登記を行うのですが、その登記をする時にかかる税金を登録免許税といいます。

登録免許税は課税標準額に税率をかけていく単純なものですが、いくつか期限付きで軽減税率・適用条件があるので購入時期によっては変動のあるものです。この登録免許税と依頼手数料や印紙税、交通費など司法書士報酬も含めて、登記することによって発生する金額の合計を登記費用といいます。

登記費用には登記手数料も必要

登記手数料とは、登記による登記事項証明書などを取得するために必要な費用です。登記費用は登記自体に要するもので、その登記が完了したことによる登記簿謄本などの登記事項証明書を取得するにも発行手数料がかかります。住民票などを発行してもらうのに、発行手数料がかかるのと同じです。

その発行手数料を、登記においては登記手数料と言います。登記事項証明書は法務局、支局、出張所で発行してもらうことが可能です。また、登記手数料は書面請求、オンライン請求・送付、オンライン請求・窓口交付によって金額は600円、500円、480円となっています。
詳細はこちら

登記費用と住宅ローンの関係

登記費用とは別に、住宅ローンを利用する場合には加えて費用が必要となります。諸費用として物件購入価格の1割が目安で、ローンを契約する金融機関や利率・返済期間などの契約内容によって金額が変動します。

住宅ローンで必要になる費用は印紙代、融資事務手数料、抵当権設定登記費用、抵当権設定登記手数料、住宅ローン保証料などです。さらに、フラット35を使用する場合には物件検査手数料もかかります。

登記費用の計算方法

新築住宅の登記費用の計算方法

司法書士報酬と登録免許税の計算は以下の計算となります。新築マンション、中古住宅、中古マンションのどれにおいても、基本は司法書士報酬と登録免許税の二つを合わせたものです。新築住宅に対する登記が、一番の費用を要するものとなっています。

司法書士等への報酬

土地の所有権移転登記4〜5万円、建物表題登記8〜10万円、建物所有権保存登記2万円、抵当権設定登記5〜10万円、住宅家屋証明1万円と、合計は20〜28万円です。つまり司法書士手数料の目安としては、20万円から28万円ほどになります。

こちらはあくまでも目安なので、司法書士によって金額に多少の幅はあります。そしてその司法書士の手数料に、印紙税が加わります。

登録免許税

軽減税率が平成32年3月31日まで適用されていて、所有権保存登記は課税標準×1.5/1000、所有権移転登記は(建物)課税標準×3/1000、(土地)平成31年3月31日まで課税標準×15/1000、平成31年4月1日以降は課税標準×20/1000、抵当権の設定は課税標準×1/1000です。

認定長期優良住宅は所有権保存登記の税率は2/1000、認定低炭素住宅であると所有権保存登記の税率は1/1000となります。軽減税率適用外だと所有権保存登記は課税標準×4/1000、所有権移転登記は課税標準×20/1000、抵当権の設定は課税標準×4/1000です。

課税標準とは固定資産課税台帳に登録されている土地・建物の価格で、各市町村役場(東京で23区の場合は都税事務所)で確認できます。
詳細はこちら

新築マンションの登記費用の計算方法

司法書士報酬と登録免許税の計算は、以下の二つを足したものとなります。司法書士報酬は16万円から30万円くらいが相場です。それに印紙税を加え、登録免許税も追加します。

新築マンションも新築住宅と同様に軽減税率が平成32年3月31日まで適用されていて、所有権保存登記は課税標準×1.5/1000、所有権移転登記は(建物)課税標準×3/1000、(土地)平成31年3月31日まで課税標準×15/1000、平成31年4月1日以降は課税標準×20/1000、抵当権の設定は課税標準×1/1000です。

認定長期優良住宅は所有権保存登記の税率は1/1000、認定低炭素住宅であると所有権保存登記の税率は1/1000となります。軽減税率適用外だと所有権保存登記は課税標準×4/1000、所有権移転登記は課税標準×20/1000、抵当権の設定は課税標準×4/1000です。
詳細はこちら

中古住宅の登記費用の計算方法

司法書士報酬と登録免許税の計算は、以下の二つを足したものとなります。司法書士報酬は16万円から30万円くらいが相場です。司法書士報酬が、登記費用の金額に幅がでる要因になります。

登録免許税は所有権移転登記は(建物)課税標準×3/1000、(土地)平成31年3月31日まで課税標準×15/1000、平成31年4月1日以降は課税標準×20/1000、抵当権の設定は課税標準×1/1000です。軽減税率適用外だと所有権保存登記は課税標準×4/1000、所有権移転登記は課税標準×20/1000、抵当権の設定は課税標準×4/1000です。
詳細はこちら

中古マンションの登記費用の計算方法

司法書士報酬と登録免許税の計算は、以下の二つを足したものとなります。司法書士報酬は16万円から30万円くらいが相場です。司法書士報酬が、登記費用の金額に幅がでる要因になります。

登録免許税は所有権移転登記は(建物)課税標準×3/1000、(土地)平成31年3月31日まで課税標準×15/1000、平成31年4月1日以降は課税標準×20/1000、抵当権の設定は課税標準×1/1000です。軽減税率適用外だと所有権保存登記は課税標準×4/1000、所有権移転登記は課税標準×20/1000、抵当権の設定は課税標準×4/1000です。

新築住宅の保存登記の特例の適用は、個人が平成32年3月31までの間に自己居住用の住宅を取得していることと、新築または建築後使用されたことのない住宅を取得したことで可能になります。登記申請を行うにあたって、その住所の所在する市町村などの証明書を添付する必要があるので確認が必要です。

また登記した後で証明書を提出しても、軽減税率の適用は受けられないとのことなので注意してください。詳細は国税庁のホームページに記載されています。期間は平成32年3月31日までとなっていますが、当初は平成29年3月31日でした。そのためいつまでという期間は延長されることもあるので、土地・住宅の購入の時は特例にも注意しましょう。

中古住宅の移転登記の特例の適用は、個人が平成32年3月31日までの間に自己居住用の住宅を取得していることと、マンション等耐火建築物は25年以内、木造等の耐火建築物以外は20年以内に建築されたものであることとなっています。この年数を超えている場合には、上記のものが証明されれば適用可能です。

証明とは住宅は新耐震基準に適合されているものか、既存住宅売買瑕疵保険に加入している一定のものであるかという点です。詳細は国税庁のホームページに記載されています。
詳細はこちら

登記費用の相場

登記費用が高いと感じる時は

司法書士報酬が高い場合が考えられます。司法書士は自身で報酬を決定できるので、どうしても金額に差が出てしまうのです。また住宅を購入した業者から紹介してもらった司法書士は、高めの金額になってしまうこともあります。

なぜならあなたが購入した業者に対して、あなたを紹介してくれたことによる紹介料を支払っている場合があるからです。登録免許税などはそもそも土地・建物に税率を乗じるものなので、登記費用が高いと感じるのであれば、司法書士等の報酬が原因となっているケースが多いと言えます。

その他司法書士の方で登録免許税の金額を増している悪質なケースもあるそうなので、明細書の内容についても司法書士に説明してもらうようにしましょう。

登記費用の相場の調べ方

知人に司法書士がいると、正直な話をしてもらえるので一番よい方法だと思います。今ではインターネットの普及で各司法書士事務所のホームページも増えてきました。新築住宅の場合、中古住宅の場合などによっても登記費用は変わります。

実際に足を運んで相談に行く前に、ホームページ上で金額の一覧が乗っているところを見てみるとよいでしょう。また相談が無料でしたら、数件の司法書士事務所を訪問してご自身が購入した土地・建物の登記費用を聞いてみる方法もあります。

登記費用を節約する方法

登記は自分で出来るのか

登記は司法書士や土地家屋調査士へ頼まなくても自分で行うことが出来ます。費用で考えると司法書士の報酬分節約できますね。まず自分で登記することを購入した業者に伝え、登記するための必要な書類をそろえましょう。

法務局へ行って無料の登記のアドバイスをしてもらい、教えてもらった通り書類を作成していきます。そして作成した書類を法務局へ提出します。登記を管轄する法務局で聞いて、アドバイス通りに書類を作成するので自分でもできそうですね。ただし法務局は平日しか開いていないので、平日に時間を作る必要があります。

登記費用を節約するにはインターネットを活用

登記申請書と委任状は、法務局のHPからダウンロードできます。登記申請書・委任状の書き方もHPに記載されていますので、活用してください。さらに、登記を行うための方法も、インターネット上に多く記載されています。ただし便利なインターネットですが、それが正しい情報であるかをしっかり判断することも必要です。

これらを参考にして自身が記載するべき申請書などを除いた揃えるべき書類を準備しておいて、あとはその書類をもとに登記手続きを出来るようにしておきましょう。インターネットの情報を上手に活用すれば、働いていてもコツコツと書類を揃えていき、登記費用を節約することは可能です。

登記を自分で行い登記費用を節約

例として土地の所有権移転登記には登記申請書、売買契約書、登記済権利証(または登記識別情報)、売り主の印鑑証明、買主の住民票、固定資産評価証明書、委任状が必要となります。売買契約書は購入時に業者から渡されるものです。

登記済権利証(または登記識別情報)、売り主の印鑑証明、固定資産評価証明書は業者に頼んで売り主からもらってください。もしもらってきてくれない場合は、売り主(持ち主)に委任状を書いてもらって、自分で取ってくることが可能です。

委任状は、売り主が登記を買い主に委任する書類です。作成自体はそれほど難しくないのですが、売り主の実印を捺印してもらう必要があるので、少し緊張しますね。書類も多いので大変ではありますが、登記を自分で行うと20万円程度の節約ができるのではないでしょうか。

正しい知識で登記費用の無駄をなくす

時間と手間は要しますが、法務局の無料アドバイスなどを利用して自分で登記を行えば、登記費用を節約することが可能です。でも実際は、専門性も高いので司法書士などに依頼して登記するのが一般的だと考えられます。

依頼する際には適正価格を調べ、ちゃんとした司法書士に頼みたいものです。もちろん購入した業者から司法書士を紹介してもらうのも良いのですが、簡略したことによって、結果登記費用が想像以上に高くなってしまうことだけは避けたいですね。

簡単に依頼をするのではなく、紹介してもらった司法書士だとしても登記費用の金額はいくらになるのか、始めのうちにしっかり聞いておきましょう。のちのちの金額トラブルを避け、納得のいく登記費用をお支払いして土地・建物を購入しましょう。

さらに詳しく知りたい方は
税理士に無料相談LINEChatworkメール

関連記事