失業手当をできるだけ早く貰うために、重要なキーとなる待機期間とは

生活の心配をせずに求職活動に専念するために、出来るだけ早く受けたい失業手当。しかし申請したら給付対象となるまで「待機期間」というものがありスムーズな手当受給には、この待機期間の過ごし方が重要になります。

目次

退職したらするべきこと

ハローワークで手続きをする

退職したらまずは、ハローワークで求職の申し込みをしましょう。失業手当とは求職者の生活と雇用の安定のための制度です。求職の意思があり失業手当を希望する場合、求職の申し込みをし失業手当の「受給資格」をもらえないと、受給に必要な次のステップに進めません。

この申請に必要な書類が何点かあります。

☑ 1.退職した会社から発行される「離職票−1、2」と「雇用保険被保険者証」
☑ 2.本人確認書類…免許証かマイナンバーカード、ない場合は保険証や住民票、パスポート、児童扶養手当証書などからいずれか2点
☑ 3.マイナンバーカード、マイナンバー通知カード、個人ナンバーの記載されている住民票のどれか1点
☑ 4.証明写真(最近撮影した縦3.0cm×横2.5cmの大きさのもの)2枚
☑ 5.印鑑
☑ 6.本人名義口座の通帳やキャッシュカードなど、振込先口座情報のわかるもの

申請をし、受給資格が決定すると「雇用保険受給資格者のしおり」が渡されます。また、次のステップである「雇用保険受給説明会」の日時案内が「申請日から7日後」以降でありますので忘れないようメモしましょう。

説明会に参加する

求職の申し込みの際に案内のあった「雇用保険受給説明会」に参加します。この説明会では失業手当の仕組みの説明があります。受給の流れや、求職方法など詳しい説明となるので、きちんと聞き理解を深めましょう。参加の際は前回もらった「雇用保険受給資格者のしおり」と印鑑、筆記用具の持参が必要です。
説明会終了後、「雇用保険受給資格者証」と「失業認定申告書」が手渡しされ、初回の「失業認定日」の案内があります。この「失業認定日」までに求職活動などの条件をみたせば、認定日の5営業日後に「失業手当」が支給されます。

失業手当の待期期間は7日間

就労をせずにいる期間

ハローワークで「受給資格」をもらったら、その日から7日間の「待機期間」に入ります。雇用保険法に、「求職の申し込み」をした日から、失業している日が通算して7日に満たない間は支給しないとあります。ハローワークはこの7日間で、本人が退職をし、その後も本当に就労していないか調査するのです。

失業している=一切の就労がないことですので、たとえ単発や短時間のアルバイトでも就労とみなされます。もどかしく感じるかもしれませんが、この期間はこれから始まる求職活動の準備期間としてアルバイトはせずに過ごすようにしましょう。

労働をすると待期期間が延びる

期間中に、就労が少しでもあればその日数分は待機とみなされないため待機期間が延びます。例えば、7日間の内3日アルバイトをしたとすると、7日+3日の10日後が待期期間の終了日となります。
そうなると「失業認定日」が先送りになり、当然「失業手当」の受給日も遅れることなります。できるだけ早く失業手当を受け取りたい場合は待機期間には就労しないようにしましょう。

給付制限がある人の場合について

退職の理由が自己都合である

退職の理由が会社の倒産やリストラなど、本人にその意思はなく会社から一方的に退職させられる「会社都合」の場合は、再就職のための十分な準備期間もなく生活にも支障をきたすため早急に失業手当が必要となります。
一方、転職や結婚など本人から申し出た「自己都合」退職は、退職後の生活も見越した計画的な退職であると判断されるため、失業手当支給開始まで給付制限が設けられます。

自分がどちらに分類されているかは離職票の理由欄を確認しましょう。また、リストラによる退職にもかかわらず「自己都合」になっているなど、不服がある場合はハローワークにその旨申し出れば調査してもらえます。手元に離職票が届いたらまずは理由欄を確認しましょう。

給付制限期間は3ヶ月

「自己都合」の場合の給付制限期間は3ヶ月となっています。3ヶ月の制限期間中、いくら計画的な退職であっても生活費が不安になる方も多いはずです。アルバイトなどの労働をする場合、週20時間以内の短時間勤務であれば、給与額に関係なく初回の認定日にその報告を行うだけで、問題ありません。
ただし、週20時間以上で31日以上勤務した場合、雇用保険加入条件を満たすため「就職した」とみなされます。就職したとなれば失業手当の支給はなしとなりますが、給付制限期間内に退職した場合はこの期間は延長されず、失業認定されれば手当は受給できます。

トラブルを避けるためにも、就労した場合は管轄のハローワークに相談しましょう。また、この時期に求職活動をして就職が決まった場合でも以下の条件が揃えば「就職促進給付」の再就職手当が支給されます。

☑ 1.離職した雇用主もしくは関係先に再雇用されたものでないこと
☑ 2.1年以上勤務可能な安定した就職であること
☑ 3.過去3年以内の再就職手当または常用就職支度手当の支給がないこと
☑ 4.雇用保険被保険者であること
☑ 5.失業手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること
☑ 6.待期期間終了後の就職したこと。
☑ 7.求職の申し込み以前に内定していたものでないこと

また、給付制限1ヶ月目の就職の場合は、ハローワークもしくは職業紹介事業所からの紹介先でないと再就職手当の支給はありません。2ヶ月目から3ヶ月目では知人の紹介や一般の求人広告からの就職でも支給対象となります。そのほか就職後に受け取れる手当もあります。詳しくは以下リンクを確認ください。

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給付制限後にすること

決められた認定日にハローワークに行く

3ヶ月の給付制限が終了したら、受給説明会で決められた「失業認定日」にハローワークに行きましょう。求職活動をしたにもかかわらず就職できなかったことを申告し「失業認定」してもらう日です。認定されれば、通常5営業日で「失業手当」の口座振込が行われます。
また、認定日の曜日は最初に行った「求職の申し込み」の曜日で固定されます。たとえば求職の申し込みを火曜日に行ったならば認定日も毎回火曜日となります。曜日の希望があれば、その曜日に求職の申し込みをしましょう。

認定日までに最低2回以上求職活動をする

原則として4週に1度の認定日。給付制限のある場合は、初回のみ制限期間と給付対象期間中に最低3回の求職活動が必要となっていますが、そのうちの1回は「雇用保険受給説明会」で消化されます。認定日までには最低2回以上の求職活動を行いましょう。
求職活動とは、就職する意思があり、そのために積極的に行動していることを客観的にみてとれる活動のことをいいます。求人へ応募はもちろんのこと、ハローワークもしくは許可や届け出のある民間会社、公的機関の実施するセミナー参加、窓口で職業相談を受けることも求職活動と認定されます。ただし、さまざまな媒体での求人情報の閲覧のみや、知人への紹介依頼だけでは積極的な求職とはみなされませんので注意しましょう。

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自身の活動について正しい申告をすること

自身の活動について、実際は行っていない求職活動を実施したと申告するなど虚偽のものがあった場合、失業手当は取り消しになります。
また、労働しているにもかかわらず申告をせずそのまま不正受給していた場合は、取り消しだけでなく不正受給分の返金と基本手当の2倍分相当の納付が必要になります。あやしまれたり疑いをかけられることの無いよう、認定日には事実をありのまま申告し、不安なことは早めに相談しましょう。

待期期間があることを知っておきましょう

ハローワークに申請をすればすぐに支給がスタートすると思われがちな失業手当。待機期間は、「失業手当」を受給するための重要な7日間です。就労は一切せず7日間を過ごし、より早く手当を受給しましょう。
「離職日」からカウントが始まる受給期間も、最短だと90日しかありません。万が一のために受給期間を多めに残し、余裕をもって求職活動を行いたいですよね。そのためにも「求職の申し込み」を退職後すぐに行い、「待機期間」を所定の7日間で済ませることがとても重要になってきます。後悔しない就職のために、この待機期間を大切にしましょう。

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