あなたも申請できるかも?国民年金保険料の免除申請とは

「フリーランスとして働いているが、今月の収入が前月比大幅マイナスで年金の支払いが厳しい…」
「会社を辞めたばかりでお金が厳しい…国民年金の免除制度や納付猶予制度はどうやったら利用できるの?」

収入が減少したことにより国民年金の支払いが困難な状況に陥って悩んでいませんか?

実は、日本の年金保険制度では、年金を満額払えない人のために様々な免除制度や納付猶予制度が用意されています。

この記事では年金の免除制度や納付猶予制度の種類やその申請方法について解説しています。

生活を営むのが難しく年金が払えない場合は、あなたに当てはまる免除制度や納付猶予制度を利用してみましょう!

目次

1.国民年金保険とは

国民年金は、日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入して、現在年金を受けている高齢世代を社会全体で支え合う公的な制度です。

国民年金(老齢年金)の受給は65歳より可能で、その受給額は年金を納付した日数によって決まります。

20歳から60歳までの40年間で毎月保険料を納めた場合、毎月約65,000円を受け取ることができます。

なお、国民年金を受け取るためには、保険料納付済期間と国民年金の保険料免除期間などを合算した期間が原則として10年以上必要です。

年金は、以下の3種類の区分によってその支払方法が異なります。

名称

対象

支払い額

第1号被保険者

自営業・学生

毎月16,540円を負担

※2021年1月現在

第2号被保険者

会社員・公務員

厚生年金保険料として標準報酬月額より18.3%を負担
(保険料を折半し、半分は原則給与から天引き、残りの半分は会社負担)

第3号被保険者

専業主婦

負担なし
(第2号被保険者とともに負担)

このうち、免除・猶予の対象となるのは第1号被保険者のみとなります。

まずはあなたがどの区分に当てはまるのか確かめてみましょう。

2.国民年金保険料の免除について

国民年金の基本的な知識を抑えたところで免除の種類や方法について解説を行っていきます。

国民年金の免除を受けるためには、先に述べたようにあなたが第1号被保険者である必要があり、その他の区分であれば基本的には免除はできません。

この章では以下2つに分けて解説を行っていきます。

国民年金保険料の免除について

  • 国民年金保険料の免除の種類
  • 国民年金保険の免除の方法

順に解説を行います。

(1)国民年金保険料の免除の種類

国民年金保険料の免除には複数の種類があり、条件に当てはまるものがあれば申請をして免除を受けることができます。

国民年金保険料の免除については主に以下のものがあげられます。

国民年金の保険料免除・猶予制度

  • 保険料免除制度
  • 保険料納付猶予制度
  • 学生納付特例制度
  • 国民年金保険料の産前産後期間の免除制度
  • 新型コロナウイルス感染症の影響による減収を事由とする国民年金保険料免除
  • 配偶者からの暴力を受けた方の国民年金保険料の特殊免除

それぞれ順に解説を行います。

#1:保険料免除制度

保険料免除制度とは、所得が少なく本人・世帯主・配偶者の所得が一定額以下の場合や失業した場合などで、承認されると保険料の免除が可能になる制度です。

なお、1~6月までに申請する場合は前々年所得、7~12月までに申請する場合は前年所得が対象となります。

免除される額は、全額免除と、一部免除(4分の3、半額、4分の1)4種類があり、所得の基準によって免除額が異なります。

将来の年金額を計算するときは、免除期間は保険料を納めた時に比べて2分の1(平成21年3月までの免除期間は3分の1)になる事に注意しておきましょう。

なお、年金受給額を満額に近づけたい場合は、10年以内であれば追納することで満額に近づけることができます。

#2:保険料納付猶予制度

保険料納付猶予制度とは、20歳から50歳未満の方で、本人・配偶者の前年所得が一定額以下の場合には、申請し承認されると保険料の納付が猶予される制度です。

先述した通り、1~6月までに申請する場合は前々年所得、7~12月までに申請する場合は前年所得が対象となります。

ただし、受給資格期間に含まれるものの、将来の年金額の計算対象となる期間には含まれないので、満額を受け取りたい場合は年金を追納する必要があります。

#3:学生納付特例制度

学生納付特例制度とは、本人が大学・短期大学、高等学校等の学生であり所得が一定以下であれば対象となり、在学中の保険料の納付が猶予される制度です。

この制度では家族の所得が多くとも、本人の所得が一定以下であれば制度を受けることが可能です。

この制度も保険料猶予制度同様、猶予期間は受給資格期間に含まれますが、全額の保険料を受給するためには、保険料の追納が必要です。

#4:国民年金保険料の産前産後期間の免除制度

国民年期保険料の産前産後期間の免除制度とは、出産予定日または出産日が属する月の前月から4カ月間の国民年金保険料が免除される制度です。

多胎妊娠の場合は、出産予定日または出産日が属する月の3カ月前から6カ月間の国民年金保険料が免除されます。

免除期間も保険料を納付したものとして年金受給金額に含まれるため追納の必要はありませんが、届出が必要です。

また、既に上記の免除・猶予制度を受けている方も申請が可能です。

#5:新型コロナウイルス感染症の影響による減収を事由とする国民年金保険料免除

新型コロナウイルス感染症の影響により国民年金保険料の納付が困難となった場合、国民年金保険料の免除を受けることが可能です。

新型コロナウイルスの影響により、令和2年5月1日より受付手続きが開始されました。

なお、以下2点をいずれも満たした方が対象となります。

  1. 令和2年2月以降に、新型コロナウイルス感染症の影響により収入が減少したこと。

  2. 令和2年2月以降の所得等の状況から見て、当年中の所得の見込みが、現行の国民年金保険料の免除等に該当する水準になることが見込まれること。

詳しくは日本年金機構ホームページをご覧ください。

#6:配偶者からの暴力を受けた方の国民年金保険料の特例免除

配偶者からの暴力(DV)により配偶者(DV加害者)と住居が異なる方は、配偶者の所得に関わらず、本人の前年所得が一定以下であれば、保険料の全額または一部が免除になります。

こちらに該当する方はまずは近くの年金事務所に相談しましょう。

(2)国民年金保険料の免除の方法

国民年金保険料の免除を行うためには複数書類を住民登録をしている市役所・町役場の国民年金担当窓口に提出する必要があります。

それらの書類が承認されて初めて、国民年金保険料の免除・猶予が認められるため、自分自身で勝手に納付を見送る事はできません。

年金の免除・猶予の申請の際は、申請する制度によって必要書類が異なります。

以下では一般的な保険料免除・猶予制度の書類を示しています。

保険料免除・猶予制度の必要書類

〈必ず必要なもの〉

  • 申請書(自身が該当する免除・猶予制度のもの)
  • 年金手帳 または 基礎年金番号通知書

〈場合によって必要なもの〉

  • 前年(または前々年)所得を証明する書類
  • 所得の申立書(所得についての税の申告を行っていない場合)
  • 雇用保険受給資格者証の写し または 雇用保険被保険者離職票等の写し(雇用保険の被保険者であった方が失業等による申請を行う場合)

申請をスムーズに進めるためにも、上記の書類をあらかじめ準備しましょう。

足りないものがある場合は市役所・町役場の国民年金担当窓口またはお近くの年金事務所に確認するようにしてください。

まとめ

この記事では国民年金保険制度の免除方法について解説しました。

生活を営む上で年金を支払えなくなってしまうこともありますが、年金免除に多くの制度が準備されているため生活が苦しい場合は積極的に利用しましょう。

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