失業手当はどのくらいの期間もらうことができるのか、きちんと理解しましょう。

失業手当は失業している状態の時、雇用保険に加入いていた人がもらうことができる手当です。雇用状態などによっても失業手当の支給期間には違いが出てきます。どのくらいの期間、受給することができるのかを知るためにも、雇用保険がどのようなものであるのか理解しましょう。

失業手当とは何か

退職した人がもらえる手当

失業手当は、雇用保険に加入している人が事業所を退職し、失業した際に受け取ることができる手当です。従業員を一人でも雇用している事業所は、雇用保険に加入することが義務付けられています。
退職した後、申請を出すことで給付されるのが雇用保険から出る基本手当。この基本手当が失業手当として認識されているものとなります。
失業手当は、それぞれの雇用形態や、勤務期間、給与などによって支給額が違ったものとなってきます。また、離職理由によっても支給方法に違いがあります。離職理由は、大きく分けると自己都合と会社都合になります。

失業手当は、給付されるまでに待機期間があり、その間に求職活動を行い、待機期間が終了したのちに支給となります。仮に待機期間の間に就職先が見つかった場合には、失業手当は支給されません。ただし、就職が決まると、再就職手当が支給されます。

再就職手当は、失業手当の支給日数が所定給付日数の1/3以上で45日以上残っていることと、1年以上の雇用が決まっていることが条件となってきます。再就職手当は、基本手当の日額に支給残日数をかけ、さらに30%をかけたものが支給額となります。

ハローワークにて申請をするもの

失業手当は、雇用保険から支給されるものとなりますが、雇用保険は以前、失業保険と呼ばれていた時期もあったことから現在でも失業保険と認識している人も少なくありません。
失業手当を受給するためには、退職の際か、退職後に事業主より渡してもらう雇用保険受給資格者証と離職票を持参し、ハローワークで申請を行う必要があります。申請の際に説明会の日の指定を受けます。この説明会に出席することが求職活動の始まりであり、失業手当を受給するためにも必要となります。

ハローワークは求職活動だけでなく失業手当の申請、そのほかにも助成金などの紹介も行っていますから、参考にしてみるとよいでしょう。退職を機に、求職活動と主に資格取得を考えたいといった場合に利用できる助成金などもあります。

就職できる状態でない人は受け取れない

失業手当は、退職したからと言って給付してもらえるものではありません。失業手当は、失業して次の就職までのつなぎの資金ということになります。失業しても次に就職する意識がない場合には、失業手当の給付対象とはなりません。
例えば、出産やケガ、病気が原因で退職した場合には、次に就職することができないということになりますから失業状態とは言えません。働くことができる状態にあるにも関わらず、仕事に就くことができない状態を失業としています。

仮に、ケガなどですぐには仕事ができないような場合は、ケガの治療を行い、働ける状態となり、求職活動を始めた時に失業手当の申請を改めて行うことができます。失業手当の申請には、退職してからの期間も定められています。治療が長くかかるようであれば、ハローワークで延長の手続きをしておくことが必要です。
失業手当は仕事をしたいが仕事が見つからない状態の人に給付されるものです。ですから、仕事を行える状態になるまでは、失業手当をもらうことはできません。
ただし、出産の場合には、育児休業助成金がありますから、そちらを検討するのもよいでしょう。この場合でも育児休業としての期間を終えた段階で仕事に復帰することが必要となります。

まずは説明会に参加してからスタート

失業手当は、退職して申請を行えばすぐに支給になるというものではありません。離職理由にもよりますが、自己都合による離職の場合には、求職活動を行い、決められた期間が経過した時点で給付となります。
ハローワークに失業手当の申請に行くと、失業保険の受給説明会に出席する日が指定されます。まずはこの説明会に出席しなければなりません。何らかの都合で出席できない場合には、事前にその旨を連絡し別の日に変更してもらう必要があります。

説明会では、失業保険についてや、求職の仕方といったことの説明をうけます。説明会に行くと、事前に渡されているハローワークカードを受付に提出して、雇用保険受給資格者証を受け取ります。これは、失業保険認定証でもあり、支給番号、被保険者番号、認定日、基本手当日額、所定給付日数といった失業手当を受け取るために必要となる情報が記載されています。説明会に出席しないと求職活動も始まりませんからとても重要な説明会となります。

説明会は約2時間。求職活動を行う際の、ハローワークでのパソコンの使用方法などの説明も行われます。説明会は、求職活動を1回行ったのと同じようにカウントされるため、離職後最初の月に関しては実際の求職活動は後1回行うということになります。
求職活動は月に2回以上行うことが失業手当受給のために必要な条件となります。そのためにはハローワークのパソコンを利用する必要がありますから、きちんと扱い方を理解するようにしましょう。

自己都合で退職した場合

雇用保険加入期間が過去二年間に12ヶ月ある

失業手当は雇用保険に加入していた期間なども重要な算定基準となります。一般の被保険者の場合には、退職した日以前の1年間に、6ヶ月以上の被保険者期間があれば失業手当の対象となります。この場合6ヶ月に含まれるのは、1ヶ月に働いた日が14日以上ある月となります。
アルバイトや非正規であった場合には、短期労働被保険者である場合も考えられます。この場合には退職した日以前の2年間に、1年以上被保険者であった期間が必要となります。短期間労働被保険者の場合には、1ヶ月に働いた日が11日以上ある月が算定の基準となります。

ただし、アルバイトの場合には、勤務時間がとても短い場合もあり、雇用保険に入っていない可能性もあります。当然ですが加入していない場合には、失業手当の対象とはなりません。

被保険者期間が10年未満の場合

失業手当は被保険者期間によっても給付金に違いが出てきます。給付金は退職する前6ヶ月の給与から計算して1日分の給付金が決まり、その何日分といった形で支給となります。
離職理由が自己都合であった場合には、被保険者期間が10年未満の場合には、手当は90日分が支給となります。

被保険者期間が10年以上20年未満の場合

被保険者期間が10年以上20年未満の場合、もらえる失業手当は、離職理由が自己都合の場合で、120日分が給付予定となります。
被保険者期間は一つの事業所でということではなく、通算することになりますから、他の事業所で加入していた分も対象となります。一度失業手当を受給している場合には、別ですが、一度も受給したことがなく転職などを行っても間を空けることなく雇用されていた場合には、直近の分だけでなく、それ以前のものも計算に加わってきます。
被保険者期間は、ハローワークの方でわかりますから、実際どのようになっているのか気になるようなら聞いてみるのもよいでしょう。

被保険者期間が20年以上の場合

被保険者期間が20年以上で離職した場合、離職理由が自己都合の場合には150日分の手当がもらえる予定となります。
被保険者期間が20年を超えるか超えないのかでは、30日分の違いが出ることになります。自己都合での退職でその後の仕事が決まっていないような場合には、どのくらいの給付が期待できるのかは生活にかかわることになりますから、きちんと検討した方がよいでしょう。

会社都合で退職した場合

加入年数と年齢条件で決まる

雇用保険の失業手当は退職に至った理由によっても支給金額などに違いが出てきます。退職理由は大きく分けると自己都合と会社都合があり、会社都合は、倒産やリストラといった理由が該当してきます。つまり会社の都合によって離職になった場合です。
会社都合での離職の場合の失業手当は、加入年数と年齢条件によって支給額が決まってきます。自己都合とは違い会社都合では労働者は予期せず仕事がなくなることになりますから、それだけ自己都合と比較すると手厚い内容となっています。
また、年齢によっても給付金に違いが出るのは、年齢によって退職で生じる経済的な負担に配慮されたものとなっています。

30歳未満で1年未満または5年未満

会社都合により30歳未満で退職となり、雇用保険の被保険者であった期間が1年未満や5年未満であった場合には、被保険者期間が6ヶ月以上で1年未満であれば90日分となり、1年以上5年未満でも90日分が対象となります。
90日分が実際にどのくらいの金額になるのかは、それぞれの直近6カ月の給与によって決まってきます。人によって違いがかなり出ることもありますから、それぞれで確認してみるとその後の生活の参考にすることができます。

30歳未満で5年以上10年未満

離職理由が会社都合で年齢が30歳未満、雇用保険の被保険者期間が5年以上10年未満の場合、120日分が対象となります。
会社都合での退職は自己都合での退職に比べると給付額も大きくなります。しかし、会社都合の場合には、突然の退職ということもあるため、生活の負担を少しでも軽減するためのものとなっています。できれば失業手当のあるうちに次の仕事を探すことができるように努力しましょう。

失業手当の期間は自分の雇用状況で確認しましょう

失業保険は、だれもが同じようにもらえるというものではなく、それぞれの状況に応じて違ったものとなってきます。どのような理由で離職となったのかは、もちろん年齢も関係してきます。
また、雇用保険に加入していた期間がどのくらいあるのかによっても給付金には違いが出てきます。失業手当は、あくまでも次に仕事に就くまでの間の補助です。失業すれば失業手当をもらうことができるということではなく、求職活動を行い次に仕事を探していることが絶対条件です。

どのくらいの失業手当をもらうことができるのかは、それぞれの雇用状況で違ってきますから、まずは雇用状況がどのようになっているのかを確認し、どの程度でもらうことができるか確認することも必要でしょう。
失業手当は、被保険者であった期間によってかなり違ってきますから、時には数日違いでかなり支給額に違いが出てきてしまうことも考えられます。失業手当はあくまでも失業中の負担軽減のための給付金です。
失業手当がどのようなものなのか、雇用保険がどのようなものであるのかを理解しておくことは、失業手当だけでなく働くうえで大切なことになります。

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