登記されていないことの証明書とは。準備・発行・申請について知ろう

登記されていないことの証明書が必要だと知ったとき、聞きなれない証明書なのでどうしたらいいのかわからないと戸惑う方が多いです。準備するもの、発行の仕方、申請方法についての知識を頭に入れておくだけで、スムーズに手続きを進めることができます。

登記されていないことの証明書

成年被後見人や被保佐人に該当しないことを証明

登記されていないことの証明書の登記とは、成年被後見人や被保佐人に該当しないことを証明するもの。成年被後見人や被保佐人は法務局に登記されますが、自分は登記されていないということを証明するための証明書となり法務局が発行します。ただし法務局の支局や出張所では取り扱っていないので注意しましょう。

認知症などの理由で判断能力が不十分な方の保護や支援を行うための成年後見制度というものがあります。登記されていないことの証明書は、その青年後見制度における保護や支援を受けていないことの証明書となるのです。

成年後見制度とは

成年後見制度は判断能力のレベルにより3類型が定められています。それは「後見」「保佐」「補助」です。この中のどの類型に該当するかは、主治医の医学的な判断などを参考にして、家庭裁判所が最終的に決定します。

もし家庭裁判所による判断が難しい場合は鑑定がおこなわれる可能性もあり、そうなると鑑定費用が別途必要です。成年後見制度は精神上の障害が前提なので、「寝たきりだけど判断能力はしっかりしている」など、身体的な理由の場合は当該成年後見制度は利用できません。

成年被後見人とは

常に判断能力を欠いている方が対象になります。「認知症や知的障害などの精神上の障害が理由で判断能力を欠く」と、家庭裁判所により後見開始の審判を受けた人のことです。

例えば脳死認定を受けた方、重度の認知症の方など。本人の代理として成年後見人が財産などの管理をおこないます。

被保佐人とは

判断能力が著しく不十分な状態の方。「精神上の障害が理由で判断能力が不十分だ」と、家庭裁判所により保佐開始の審判を受けた人のことです。

例えば、日常の買い物などはできるけれど、大きな財産を購入することや契約を締結することは難しい方や、中度の認知症の方など。不動産の取得などの財産上の重要な法律行為においては、保佐人の同意が必要となります。

被補助人とは

「判断能力が不十分だ」と、家庭裁判所から補助開始の審判を受けた人のことです。後見や保佐よりも精神上の障害の程度は軽い場合に認定されます。

例えば、日常の買い物などは一人でできるけれど、援助者の支えがあった方が良いという方や、軽度の認知症の方が当てはまります。特定の法律行為においては補助人の同意もしくは代理が必要です。

有効期限は発行後3か月以内

公的機関に提出する証明書の中には、有効期限を決めている法律や自治体の条例があります。登記されていないことの証明書の有効期限は発行後3か月以内です。

書類の取得には日数がかかることがあります。添付書類の用意が遅れるなどして許可満了日が過ぎてしまうと、許可が失効して新規に取り直しになってしまうかもしれません。そうならないように早めの準備を心がけましょう。

建設業許可申請をする場合に必要

登記されていないことの証明書は建設業許可申請をする場合に必要となり、会社として申請する場合は、別で会社の登記簿謄本(履歴事項全部証明書)も必要となります。登記簿謄本も法務局で取ることが可能です。

ただし被保佐人や任意後見契約の本人とする記録は証明不要となります。ちなみに証明書には住所と本籍を記載する欄がありますが、どちらかを記載していれば大丈夫です。その他にも申請書の書き方には注意事項がいくつかあるので、細かく確認しながら丁寧に記載しましょう。

建設業許可とは建設業法第2条

建設工事の完成を請け負う営業

建設業法第2条の法律について

建設業法第2条の法律においての建設工事とは、土木建設に関する工事のことを指し、土木一式工事や土木工事業のことをいいます。

建設業法第2条の法律においての建設業とは、元請と下請、そしてその他いかなる名義をもってするかを問わず建設工事の完成を請け負う営業のことをいいます。

建設業法第2条の法律においての建設業者とは、第3条第1項の許可を受けて建設業を営む者のことをいいます。

建設業法第2条の法律においての下請け契約とは、建設工事を他の者から請け負った建設業を営む者と他の建設業を営む者との間で、当該建設工事の全部もしくは一部について締結される請負契約のことをいいます。

建設業法第2条の法律においての発注者とは、建設工事(他のものから請け負ったものを除く)の注文者のことをいい、元請負人とは、下請け契約における注文者で建設業者である者のことをいい、下請負人とは、下請契約における請負人のことをいいます。

建設業許可について

建設業許可は建設業法で定められており、500万円以上の工事をする場合に建設業許可が必要となります。建設業の業種は29業種に分類されており、そのうち建設一式工事(家を丸ごと一軒、ビルを建設する工事、大規模な増改築工事などの業種)については、建設業許可の基準が500万円ではなくなります。

建設業許可が必要となる29の業種とは

☑ 1.土木工事業(総合的な企画と指導と調整のもと、土木工作物を建設する工事のこと。)
☑ 2.建設工事業(総合的な企画と指導と調整のもと、建築物を建設する工事のこと。)
☑ 3.大工工事業(大工、仮枠、造作などの工事。)
☑ 4.左官工事業(左官、とぎ出し、吹付、モルタル左官などの工事。)
☑ 5.とび・土工工事業(とび、機器や重量物の運搬と配置、鉄骨の組立、掘削、杭打ち、コンクリートの打設などの工事。)
☑ 6.石工事業(石積みと石張り、石材加工、コンクリートブロックの積み張りなどの工事。)
☑ 7.屋根工事業(瓦屋根ふき、ストレート屋根ふき、金属薄屋根ふきなどの工事。)
☑ 8.電気工事業(構内電気設備、発電設備、送配電線、変電設備などの工事。)
☑ 9.管工事業(冷暖房設備、空気調和設備、ガス管配管、給排水などの工事。)
☑ 10.タイル・レンガ・ブロック工事業(タイル張り、レンガの積み張り、コンクリートブロックの積み張りなどの工事。)
☑ 11.鋼構造物工事業(鉄骨組立、橋梁上部、鉄塔などの工事。)
☑ 12.鉄筋工事業(鉄筋加工組立やガス圧接などの工事。)
☑ 13.舗装工事業(アスファルトやコンクリートなどの舗装工事。)
☑ 14.しゅんせつ工事業(河川や港湾などの水底をしゅんせつする工事。)
☑ 15.板金工事業(板金加工取付や屋根飾りなどの工事。)
☑ 16.ガラス工事業(ガラス加工の取り付けなどの工事。)
☑ 17.塗装工事業(塗装、布はり仕上げ、溶射などの工事。)
☑ 18.防水工事業(アスファルトやモルタルなどの防水工事。)
☑ 19.内装仕上げ工事業(天井、壁はり、床、畳などの仕上げ工事。)
☑ 20.機械器具設置工事業(昇降機設置やプラント設備などの工事。)
☑ 21.熱絶縁工事業(冷暖房や冷凍冷蔵の設備、動力設備もしくは燃料工業、化学工業などの設備の熱絶縁工事など。)
☑ 22.電気通信工事業(電気通信線路設備、電気通信機械設置、放送機械設置、データ通信設備などの工事。)
☑ 23.造園工事業(植栽、景石、地ごしらえ、公園設備などの工事。)
☑ 24.さく井工事業(さく井、温泉掘さく、さく孔、揚水設備などの工事。)
☑ 25.建具工事業(サッシ取付、金属製建具取付、木製建具取付などの工事。)
☑ 26.水道施設工事業(取水施設、浄水施設、排水施設、下水処理設備などの工事。)
☑ 27.消防施設工事業(屋内消火栓やスプリンクラーなどの設置工事。)
☑ 28.清掃施設工事業(ごみ処理施設やし尿処理施設などの工事。)
☑ 29.解体工事業(工作物や家屋などの解体工事。)

建設工事を請け負う者は許可が必要

建設工事を請け負う者(建設工事の完成を請け負うことを営業する者)は、建設業法第3条の規定に基づき建設業の許可が必要になります。その工事が公共工事であるか民間工事であるかは問わず許可は必要です。ただし軽微な建設工事のみを請け負う者(警部な建設工事のみを請け負って営業する者)は、必ずしも建設業の許可を受けなくてもいいとされています。

建設工事の許可は、区分に従って国土交通大臣もしくは都道府県知事が許可を出します。2つ以上の都道府県の区域内に営業所を設けて営業しようとする場合は国土交通大臣の許可が必要。1つの都道府県内のみに営業所を設けて営業しようとする場合は都道府県知事の許可が必要です。

そして軽微な建設工事以外の建設業の許可は、下請け契約の規模などによって一般建設業許可と特別建設業許可とに区別されます。

軽微な建設工事とは

☑ 1.建築一式工事について、工事1件の請負金額が1,500万円未満の場合、もしくは延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事のこと。
☑ 2.建築一式工事以外の建設工事について、工事1件の請負金額が500万円未満の工事のこと。

木造の定義と住宅の定義

木造とは、建築基準法第2条第5号で定められている主要構造部が木造であるもののことです。

住宅とは、住宅、共同住宅、店舗などの併用住宅でのことで、延べ面積の2分の1以上を居住用に供するもののことです。

一般建設業許可とは

軽微な工事以外の建設工事を受注することが可能。金額の制限なく許可を受けた業種すべての建設工事を受注することができます。

もし建設工事を受注して自ら施工する場合は、特定建設業許可を取る必要はありません。財産的要件や責任技術者の要件は、一般建設業許可よりも特定建設業許可のほうが厳しい条件が求められます。

特定建設業許可とは

発注者から直接工事を受注する元請になるかどうかがポイント。元請業者にならずに下請工事のみ受注する場合は特定建設業許可を取る必要はありません。

特定建設業許可が必要な場合は、元請業者として受注した工事を下請出すときに、その総額が4,000万円以上である場合。建築一式工事の場合は6,000万円以上になる業者は特定建設業許可が必要です。

申請書の書き方

取得する法務局名と日時を記入

登記されていないことの証明書を取得する方法は簡単です。現在登記制度はコンピューター化されているので、東京法務局後見登録課の「後見登記等ファイル」に登記されています。申請書はダウンロードできますが、全国の法務局や地方法務局に直接出向いてもらうこともできます。

申請する際は直接全国の法務局や地方法務局でおこなうか、郵送の場合は東京法務局後見登録課あてに送って申請しましょう。郵送する場合は特に申請書の書き方に細心の注意を払わなくてはいけません。申請書には取得する法務局名と日時を記入する欄がありますので、「東京法務局」と記入します。

番地を省略せずに記入する

申請書には住民票に記載があるとおりに記入することになっているので、番地を省略せずに丁寧に記入しましょう。例えば住民票には123番地の4となっている場合は、123-4と略すのではなく「123番地の4」とそのまま書き写した方がいいです。

ちなみにパソコン等で申請書の用紙に入力することも可能ですが、入力文字数が多い場合などに表示に乱れが生じる場合があるので、手書きの方が無難です。

印鑑は認印でもよい

証明書の申請のために本人が直接法務局に出向く場合も、代理申請で取得する場合も、郵送する場合でも印鑑が必要です。印鑑は認印でもかまいません。

代理申請に必要な委任状も認印でも大丈夫です。しかし個人のプライバシーに関わる証明書でもあるので実印の方が望ましいでしょう。氏名については自署が必要です。代理人の住所と氏名を記入し印鑑を押しますが、委任者ではなく代理人の印鑑を押すので間違えないように注意が必要です。

記録がないにチェック

申請書には証明事項の欄があります。ここには「成年被後見人、被保佐人とする記録がない。(後見・保佐を受けていないことの証明が必要な方)」にチェックをしましょう。

証明事項の欄にはこの他に、「成年被後見人、被保佐人、被補助人とする記録がない。」「成年被後見人、被保佐人、被補助人、任意後見契約の本人とする記録がない。」「その他( )とする記録がない。」という項目があります。

申請場所によって違いがある

申請書の書き方は、申請場所によって違いがあります。そのためわからないことがあれば申請先の担当者の方に問い合わせをしましょう。

申請書の書き方に自信がない場合は、直接窓口に出向いた方が安心です。そのまま申請する場合は、申請書以外にも必要なものがいくつかありますので、それらを全て持っていくことを忘れないようにしましょう。

登記されていないことの証明書の請求・申請に必要なもの

☑ 1.申請書(登記されていないことの証明書)
☑ 2.証明手数料(300円)
☑ 3.配偶者や四親等内の親族が請求する場合は、親族関係がわかる証明書類(戸籍謄本、抄本、住民票の写しなど。)
☑ 4.代理人が請求する場合は委任状(会社・法人が代理人になる場合は、代表者の資格証明書、会社・法人の登記事項証明書など。)
☑ 5.本人確認のための証明書類(運転免許所、健康保険所、パスポート、住基カードなどを窓口で提出する。)
☑ 6.郵送の場合は申請書に収入印紙を貼り、本人確認書類のコピーと切手を貼った返信用封筒を同封

証明書の発行手続き

法務局や地方法務局の窓口で

登記されていないことの証明書の申請書の発行手続きは、東京法務局民事行政部後見登録課、全国の法務局、地方法務局(本局)の戸籍課の窓口でおこなっています。手続きをスムーズに進めたいのであれば直接窓口に出向くのが一番です。

ちなみに大阪法務局においては、2階の後見登記証明書発行窓口となるので注意しましょう。窓口で発行手続き及び申請をおこなう場合は、受付時間が平日の8時30分~17時15分までと決まっています。待ち時間約10分~20分、及び手続きにかかる時間も考慮し、時間に余裕をもって出向くようにしましょう。

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郵送も可能

郵送で申請する場合は、「東京法務局民事行政部後見登録課宛」に送ります。取り扱いがこの東京法務局民事行政部後見登録課のみとなりますので注意しましょう。それと切手を貼った返信用の封筒や本人確認書類のコピーを同封することも忘れないようにしましょう。

郵送の場合、窓口での手続きと違い処理時間がかかります。申請書が受領されてから発送されるまでに2~3日かかるので、申請書を郵送してから手元に届くまでのトータルは約1週間~10日程度かかるということになります。
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申請書はサイトでダウンロード

申請書は法務省のサイトからダウンロードすることができます。A4縦長サイズに出力して使用することが可能です。申請書用紙の四隅にあるマーク(−および■)が印刷されているかを必ず確認してください。

パソコンのOSによって、もしくはパソコンの状態によっては、登記されていないことの証明書に直接入力することができないことがあります。その場合は、Adobe Acrobat Readerを使用するようにパソコンを設定するなどの対応が必要です。
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手数料300円が必要

登記されていないことの証明書を申請する場合は手数料300円が必要です。その手数料300円とは収入印紙代金のこと。証明書1通につき300円の収入印紙を貼付して納めます。

平成23年に登記手数料が改訂され、変更前の400円から現在の300円に引き下げ。そして登記印紙から収入印紙で納付することになりました。しかし登記印紙もこれまで通り登記手数料の納付に使用することができますし、収入印紙と登記印紙を組み合わせることも可能です。

代行依頼するときは委任状が必要

登記されていないことの証明書を行政書士に代行依頼することも可能です。代行依頼の金額は各行政書士事務所により異なりますが、少なくとも3,000円以上になることが多いでしょう。代行依頼する際は委任状が必要となります。

代行依頼を検討しているなら、まずは行政書士事務所に相談してみましょう。代行依頼することで時間を節約できるなどのさまざまなメリットがあります。

法務局とは法務省の地方支分部局

地方の法務関係業務を扱う

法務局は法務省組織の1つで、地方の法務関係業務を扱っている場所です。法務省は法務大臣下のもと組織図ができており、法務局は地方支部部局の組織内にあります。法務省の内部部局の組織内にあるのが、民事局や総務局、人権擁護局などです。

法務局の事務は、民事・行政訴訟、戸籍・登記・国籍・供託・公証、国民の財産や身分関係を保護するなどの民事行政事務、国の利害関係にある訴訟活動を行う総務事務、国民の基本人権を守る人権擁護の事務など。生まれたたらまず戸籍や国籍のことで関わり、就職したら場合によって登記されていないことの証明書が必要となることがあり、起業した際の登記、トラブルを起こしたときには供託などと、生活に関わるいろいろな業務をしている場所ということです。

全国8か所に法務局

法務局の組織は、全国を8ブロックの地域に分けて各ブロックを受け持つ法務局があります。法務局が置かれている場所は主に大都市で、札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、高松、福岡です。

そしてこの法務局の下に、都道府県を単位に受け持つ地方法務局が置かれており、さらに法務局と地方法務局の管内には支局と出張所が多数あります。ただし登記されていないことの証明書においては支局と出張所では取り扱っていないので、本局の戸籍課窓口へ行きましょう。

県庁所在地などに地方法務局

地方法務局は、法務省の地方支部部局の1つです。法務局は全国に8か所設置されていますが、法務局に次いで規模が大きい地方法務局は42か所置かれています。

地方法務局がある場所は、8か所ある法務局以外の県庁所在地と北海道の函館、釧路、旭川です。法務局も地方法務局も支局と出張所があるので、全体では約500カ所の事務所が存在しています。

申請は難しくない登記されていないことの証明書

登記されていないことの証明書申請は、準備するもの、発行の手続きなどについて知っていれば難しくありません。それでも初めての申請で不安だという場合は、郵送ではなく法務局及び地方法務局に直接出向き担当の方に確認しながらおこなうといいでしょう。

どうしても時間が取れないのであれば、お金はかかりますが行政書士の方に代行してもらうという方法もあります。代行依頼する際は委任状を忘れないようにしましょう。証明書の申請は難しいイメージがありますが、法務局のサイトに申請方法や記載例などが載っているので、それらを参考にしながらおこなうとそれほど難しいものではありません。

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