契約前に知っておきたい税理士の選び方。かしこく選ぶポイントとは

自営業は会計処理などにかかる時間も莫大。「税理士を雇いたい」と考える方も多いでしょう。今回は、信頼できる税理士を選ぶポイントを伝授。税の相談にもしっかりと対応してくれる税理士を選び、会社経営をサポートしてもらいましょう。

目次

税理士を選ぶ前にするべきこと

税理士を雇う目的を明確にする

まずは、税理士を雇う目的を明確にすることが大切です。会計処理やコンサルティングなど税理士に依頼する業務はさまざまですが、税理士を雇ってどこの範囲まで任せたいのか考えてみましょう。

会社の規模が小さく、税理士を雇うことで利益が極端に減ってしまうようであるなら意味がありません。税理士を雇うことによって、どんなメリットを得たいのか考える必要があるのです。たとえば、税理士を雇うことで「会計処理にかける時間を削減したい」「節税したい」という目的があるかもしれません。どんな目的で税理士を雇うかによって、依頼する業務も異なってくるでしょう。

税理士を雇いたいと考えたときに、まず明確にするのは「目的」です。そして目的に応じた税理士を選ぶことが重要。なにを依頼したいのかが明確になれば、おのずとどのような内容で業務をお任せしたいかもみえてくるはずです。

顧問料の予算を決める

予算内におさまるように税理士を探すのも重要なこと。顧問料の予算がオーバーし、利益が極端に減ってしまっては本末転倒です。税理士を雇う場合、顧問料のほか作業料やオプション料金がかかってきます。もちろんどんな業務を依頼するかによって、費用は大きく変化。毎月の記帳代行や確定申告代行など、依頼する業務が増えるほど費用もふくらむのです。

税理士を雇う目的を明確にし、依頼する業務をピックアップしたあとは大体の予算を決定。費用が予算内におさまるか十分に検討してください。対面での見積もりのほか、一括見積りができるサイトもあるのでぜひ活用しましょう。

また、作業に応じて都度費用を請求される場合もありますが、できれば料金テーブルが明確になっている税理士事務所を選ぶことをおすすめします。料金が明朗であれば、のちのちトラブルに発展するリスクを回避できるでしょう。

税理士事務所の規模違いのメリットとデメリットを知る

税理士事務所は数多くあり、小規模だったり大規模だったりします。規模の違いによって、メリット・デメリットがあるので事前にしっかり知っておきましょう。

まず挙げられるのが、訪問回数。大規模な事務所では、税理士が毎月これないことも多いです。対して、小規模な事務所では毎月訪問してくれる場合もあるようです。次に、挙げられるのがサービスの質。大規模な事務所では、経営相談や多方面のサービスが充実しています。対して小規模な事務所では高度なサービスが受けられない可能性があります。

もちろん規模に関わらず、事務所によって得意・不得意があるでしょう。「どんな業務を依頼したいのか」「どこまでのサービスを受けたいのか」「報酬はどのくらい必要なのか」をよく考え、依頼する事務所を選びましょう。また、費用を予算内におさめることも重要なポイントの一つです。

個人事業主にとって良い税理士を選ぶポイント

会社の立場になって考え行動してくれる

常に会社の立場になって、考え行動してくれることはとても大切。とくに、税務調査時にはしっかり会社側にたって話をしてくれる信頼感の強い税理士を雇うことが重要です。

最初は信頼関係が0からの状態ですが、定期的に打ち合わせをしてくれたり、毎月しっかりと訪問してくれる税理士は自然と信頼感も強くなっていくでしょう。雇ったあとのサービスや行動をみて、信頼関係が築けそうか考えてみましょう。

もし雇ったあとに不安を感じたり「信頼できそうにない」と思った場合は、税理士を変更するのも一つの手段。税理士とは顧問契約という形で契約を結びますが、税理士を変更したい場合は「解約したい」と伝えるだけで問題ありません。とくに難しい手続きは必要ないので、不信感を抱いたときには早めに変更を検討しましょう。

節税対策の希望を汲んでくれる

税理士を雇う目的として挙げられるのが「節税対策」です。「どのような部分で節税できるのか税理士に教えてもらいたい」と考えている方も多いでしょう。しかし、中には節税に積極的ではない税理士もいらっしゃいます。

実は、そもそも節税自体は税理士の業務ではないのです。そのため「節税をするよりきちんと納税を」「節税には一切配慮しない」という方も。このような税理士を雇った場合、思うような節税効果を得ることは難しいでしょう。

「できるだけ節税をしたい」と考えている場合は、節税に対する提案能力がある税理士を選ぶことが重要です。サービス業としての意識を持ち、会社に応じた節税策を提案してくれるか確認しましょう。業務を依頼する前に「どんな節税ができるでしょうか」と聞いてみるのもありですね。

相談に真摯に対応してくれる

確定申告や納税など、税金に関して悩むことは多々あるでしょう。そんなときにでも、相談に真摯に対応してくれる税理士を選ぶことが大切です。

意見や相談をしやすく、アドバイスをくれるときは上から目線でないことが重要なチェックポイント。税理士と対等な立場でなければ、信頼関係を築くのも難しくなってしまいます。

また、相談に対して具体的なアドバイスをくれるかも重要です。たとえば「節税をするにはどうしたらいいのか」と相談したときに「まあ…いろいろありますね」などと曖昧な回答だった場合は要注意。具体的な節税策や過去の事例などを紹介してくれる税理士を選びましょう。具体的な回答をくれる税理士であれば、相談をした場合も真摯に対応してくれるはずです。

報酬と業務範囲について契約前に説明してくれる

中には契約前にしっかりと業務範囲を説明してくれない場合も。「契約したのはいいもの、依頼したい業務が契約に入ってなかった」という事例もあるのです。

こういったトラブルを回避するためにも、報酬と業務内容について契約前にしっかりと説明してくれる税理士を選びましょう。相談時に、しっかりと料金表を持参し「どのサービスがいくらなのか」「オプション料金はいくらかかるのか」を細かく説明してくれることが重要。

報酬について曖昧だったり、料金表を持参していない場合はすぐに契約を結ばずに「本当に信頼できるのか」よく検討してください。報酬に関してきちんとした回答を得られない場合は、「いくらかかるのか」「明確な費用はどのくらいなのか」やや強めに質問しても構いません。きちんと報酬を明確にし、会社にとって不利益とならない選択をしましょう。

税理士を選ぶ際に特に気をつけた方が良いケース

報酬が極端に安い

会社の利益のことを考えると「少しでも安い税理士を雇いたい」と思うかもしれません。しかし、報酬が極端に安い税理士は要注意。サービスの質が悪い可能性があるのです。

税理士になりたてで知識が乏しかったり、訪問回数や打ち合わせ回数が極端に少ないかもしれません。ある程度のサービスを求めるのであれば、安さばかりを重視するのはやめましょう。

依頼する業務範囲を決定したあとは相場を調査し、安すぎず高すぎない平均的な報酬の税理士を選んでください。平均的な報酬を知るためには複数の税理士に見積りをお願いしたり、サイトの一括見積りを利用するのがおすすめです。あまりにも安い報酬の場合は「なにかデメリットがあるのかも?」と疑いましょう。

専門用語ばかりで話す

見積りをお願いしたときや、面談のときに専門用語ばかりで話す税理士には注意が必要です。税理士は当然「税についての知識」あるため、専門用語も詳しく理解しています。しかし、一般の人には分からないような用語をベラベラと顧客に話すようではサービス精通しているとはいえません。

顧客に対してしっかりとしたサービスを提供してくれる税理士であれば専門用語は使わず、わかりやすい言葉に置きかえて説明してくれはずです。専門用語ばかり話されると、何もわからず相談できなくなってしまう…という事態になりかねません。

また、専門用語がわからないことをいいことに不要なオプションをつけられてしまうことも。「専門用語ばかりで話についていけない」と感じた場合は「もう少しわかりやすく説明してもらえませんか?」とお願いしてみましょう。これに応じず、わかりにくい説明を続けるのであれば契約はしないほうがよいです。

税理士選びのポイントをおさえて税理士を見つける

はじめて「税理士を雇おう」と考えたときは、どんなポイントをおさえればよいのかわからないもの。今回ご説明したポイントは、税理士を選ぶ際に重要なものばかりです。

まずは、税理士を雇う目的を明確に。その後、どのくらいの範囲を依頼したいのかよく検討しましょう。会社の利益に応じた予算を決定し、それに対応できる税理士を選ぶことが大切です。信頼関係を築ける税理士を見つけ、会社経営の強い味方となってもらいましょう。

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