登記ネットという言葉を聞いたことがありますか?登記ネットとは登記事項証明書の手続きがオンラインでできるサービスのことをいいます。登記ネットの手数料や支払い方法などの疑問を解決し、登記ネットのメリットを活用しましょう。
目次
オンライン登記ネットでできること
登記事項証明書の交付請求ができる
登記簿謄本は証明書類などで必要な書類のひとつですが、証明書の発行のために近くの役場にいく時間がなかなかとれないという方も多いかもしれません。
登記簿謄本は法務局で取得できる土地や建物の登記のことをいい、現在では登記簿謄本に記載された内容が登記記録という形でデータ化され、このデータは登記事項証明書と呼ばれています。
インターネットの普及によるオンライン化によって、法務省が運営する専用の申請サイトから申請をすることで、登記事項証明書の交付請求をすることができます。オンラインでの請求は法務省が管轄する役場に行く必要がないため、時間を有効的に使うことができるというメリットがあります。
パソコンが家にある方はいつでもアクセスすることができるほか、平日の夜9時まで交付請求することができるので、仕事が忙しい方や急に必要になった方にとっては大変便利なシステムです。
印鑑証明書の請求ができる
印鑑証明書は住宅や車の購入の際や、公的に必要な書類を提出する際に求められる書類です。契約書類に押印された印鑑が、公的機関で登録済みの実印であることを証明するもので、印鑑の正当性や信頼性を保証する意味を持っています。印鑑証明書の請求も、登記ネットによって行うことができます。
印鑑証明書はさまざまな場面で必要とされる書類ですので、オンラインで請求することによって時間の短縮にもつながります。ただ、印鑑証明書の請求は実印をすでに印鑑登録している方が対象となります。
印鑑を住民登録している地域の自治体に持っていくことで、印鑑登録をすることができますが、印鑑登録がされて初めて印鑑証明書が発行されます。印鑑証明書が発行されることで、実印の価値を証明することができるため、実印と印鑑証明書はセットで考える必要があります。
登記ネットのメリット
法務局へ出向く手間が省ける
法務局とは、不動産である土地や会社の登記を行う役所のことをいいます。法務局といっても、あまりなじみがない方も多いかもしれません。法務局は全国に約500ヶ所あるといわれ、それぞれが決められた土地の登記を管轄しています。
昔は書面のみの扱いでしたが、インターネットの普及によりオンライン上で申請ができるようになったため、法務局のことを登記所と呼ぶ方も多くいます。印鑑証明書や登記簿謄本などは法務局の役場で交付することができますが、オンラインの登記ネットを利用することにより、その分の時間の手間を羽省くことができます。
法務局の出張所は全国の各都道府県にありますが、仕事で忙しかったり、なかなか時間が取れない方も多くいます。登記ネットのメリットのひとつは、出向く手間を省いてスピーディーに請求書を発行することができる点です。普段からパソコンを使うことが多い方は、簡単にネットで申請をすることができます。
窓口で待つ時間が省ける
役所に行くと待ち時間が気になることはありませんか?役所の数は限られているため、窓口で受け付けをする場合は待ち時間が長いことも。通常は登記所の窓口の受付時間は平日の午前8時30分から午後5時15分までですが、オンラインで手続きを行う場合は、夜の9時まで受け付けています。
オンラインで請求した証明書は自宅や会社に郵送することができますが、最寄りの登記所や法務局の管轄の役場で受け取ることができます。あらかじめ登記ネットで必要書類を請求することで、窓口で待つ時間を短縮することができます。
役所がいつも混んでいて待ち時間が気になるという方は、登記ネットを利用することで、待ち時間を少なくし、スムーズに書類を受け取ることができます。
登記ネットのデメリット
電子証明書を取得する必要がある
登記ネットを使った申請を行う場合は、電子署名が必要な手続があります。証明書の種類によっては必要ないものもありますが、印鑑証明書を請求する場合は電子署名が必要になります。電子署名が必要な手続きを行うためには、前もって認証機関から発行される電子証明書を所得する必要があります。
そのためにはAdobe Acrobatを利用し、オンライン申請システムが提供するPDF署名プラグインソフトを使用してPDFファイルに電子署名をする必要があります。事前準備としてソフトをダウンロードし、必要事項を記入する必要があるため、パソコンに使い慣れていない方は、なかなか分かりづらいというデメリットがあります。
パソコン環境が整った状態で申請をすることができる方は登記ネットを利用して電子証明書を所得し、必要書類の請求を行うようにしましょう。
請求できないものもある
オンラインで登記申請をすることができると聞くと、全ての手続きをオンラインで行うことができる印象を受けますが、中には請求できない書類もあります。
土地や不動産の相続などの登記に必要な相続登記の申請書の場合は、相続登記の申請書をオンライン申請システムであらかじめ送信し、戸籍謄本や遺産分割協議書などの必要な添付書類は、別途登記所に持参するか、もしくは郵送で送付する必要があります。
登記ネットでオンライン請求できる書類は、土地や建物などの不動産登記、会社、法人の商業法人登記、印鑑証明書などに限定されています。ですので、そのほかに必要な書類を請求したい場合は、法務局の管轄の役場へ出向いて請求することが求められます。
その他にも、使用しているパソコンの環境によっては対応していない場合もありますので、事前に確認するようにしましょう。
登記ネットの手数料は安い
郵送で受け取ると500円
登記ネットのメリットは出向く手間が省けるだけでなく、手数料が窓口で申請するよりも安く、郵送で受け取ることができる点です。事前にオンラインで請求して送付の手続きを行うことで、仕事で忙しくて取りに行けない場合もスムーズに受け取ることができます。登記事項証明書は郵送の場合、500円で受け取ることが可能です。
また、印鑑証明書は郵送1通410円受け取ることができます。オンラインでの申請によって手数料が少なくなるだけでなく、時間を短縮することができるため、登記ネットを上手に利用することで、無駄なく必要書類を受け取ることができます。
窓口で受け取ると480円
登記事項証明書は直接窓口で請求すると通常は600円かかりますが、オンラインで請求して窓口で受け取る方法を選択する場合は480円で済みます。もし請求する証明書が多い場合は、50枚を超えると50枚までごとに100円加算されますが、あらかじめオンラインで請求することにより、その分の加算を安く抑えることができます。
また、印鑑証明書は窓口受領は1通390円で、直接窓口での申請よりも安くなります。オンラインで事前に請求し、窓口で受け取ることにした場合でも割引が適用されるため、パソコン環境が整って時間がある方は、あらかじめオンラインで請求することがよいでしょう。
登記ネットの請求方法
かんたん証明書請求による請求
登記ネットの請求方法には、かんたん証明書請求といわれるものがあります。かんたん証明書請求とは、普段使っているパソコンの環境設定をする必要がなく、電子署名の付与やファイルの添付が不要で、電子公文書の発行の必要がない登記事項証明書の交付請求ができる方法です。
証明書の種類によってかんたん証明請求ができるものが決められていますが、初めてオンライン申請をする方でも間違わないように、画面の上部にナビゲーションが表示され、今どんな操作をしていて次に何をする必要があるのかを簡単に確認することができます。
初めてオンライン請求をする方は、ナビゲーションのステップによって入力していくだけなので、簡単に請求を行うことができます。証明書の送付先や個人情報はは、申請者情報登録時のデータが自動で反映されるため、改めて入力する手間を省くことができます。
請求先の登記所の変更や内容を変更することも可能なので、専用ソフトのダウンロード必要なしで手続きを行うことができます。しかし、印鑑証明書の請求はできないので登記事項証明書のみが対象となります。
申請用総合ソフトによる請求
専用ソフトのダウンロードが必要な書類に関しては、申請用総合ソフトをあらかじめダウンロードする必要があります。
申請用総合ソフトによって申請書作成や電子署名の付与、データの送信や電子公文書の取得、データ管理の全ての操作を行うことができるほか、オンライン申請システムで取り扱う手続の全てを行うことが可能になります。
利用するパソコンの環境設定をする際は、申請用総合ソフトのインストールと申請者情報の登録のみなので、比較的簡単に行うことができ、受付のお知らせ通知やバックアップ機能などもあるため、復元処理を行うことでバックアップ時の状態に戻すことができます。
法務局の登記事項証明書や印鑑証明書の請求をすべて行うことができるため、ソフトを一度インストールするだけでいつでも請求を行うことができます。
登記ネットの支払い方法
インターネットバンキングでの納付
登記ネットから必要書類の請求を行う場合は、登録免許税や供託金などの手数料の納付を必要とする場合があります。手数料の支払い方法は、インターネットバンキングやモバイルバンキング、ATMなどから納付を行うことができます。
インターネットバンキングで納付を行う場合は、主に2つのアクセス方法があります。1つはかんたん証明書請求、供託かんたん申請の電子納付ボタンもしくは申請用総合ソフトの納付ボタンをクリックしてアクセスする方法で、2つ目は各金融機関のインターネットバンキングに直接アクセスする方法になります。
電子納付ボタン、または納付ボタンをクリックしてアクセスする場合は、ボタンをクリックしてから30分以内にインターネットバンキングへのログインを完了させる必要があります。
それ以上時間が経ってしまった場合は、もう一度納付ボタンをクリックしてからインターネットバンキングへログインし、電子納付を行う手続きをするようにしましょう。
電子納付ができるATMでの納付
ATMから電子納付を行う場合は、Pay-easyのマークがあるATMから行うことができます。
まずは電子納付の際に必要な納付情報を確認する税金または各種料金の払込みを選択し、収納機関番号の入力をします。通知された納付情報の収納機関番号を入力したあとは、16桁の納付番号及び6桁の確認番号の入力をし、払込内容の表示を確認します。
各ATMによって画面の表示方法は異なりますが、手数料の納付が必要とする手続の場合は収納機関番号、納付番号、確認番号、納付期限などの納付情報が発行されるため、あらかじめ控えておく必要があります。納付情報は、処理状況一覧画面から確認するようにしましょう。
また、手数料の合計額が11桁を超える大きい場合は電子納付は行うことができません。電子納付後は確認作業が行われるまでに時間がかかることがあるため、再度納付処理を行ってしまうと二重に納付されてしまうため、注意が必要です。
登記ネットの利用時間とインフォメーション
利用できる時間
登記ネットの利用時間は、平日午前8時30分から午後9時までです。祝日や休日、年末年始などは請求を受け付けていない場合もあるので、事前に公式ホームページを確認するようにしましょう。また、利用時間内であっても、システムのメンテナンスなどにより運用が停止したり休止や中断を行うことがあります。
オンラインでの手続きの場合は同じ画面を長い時間開いていたり、パソコンの環境によっては作業がスムーズに行われない場合もありますので、使用する環境にも注意が必要です。夜は午後9時まで受け付けているため、仕事終わりにも請求を行うことができます。
なかなか時間がとれない方や忙しい方は、登記ネットのオンライン請求を使って、スムーズに必要書類を受け取ることができます。手続をスムーズに行うためにも、登録情報の確認や、指定されたパソコン環境の設定をすることが大切です。
登記ネットに関するお問い合わせ先
登記ネットはオンラインによるサービスなため、手続き上分からないことがでてくるかもしれません。登記ネットに関するお問い合わせ先は、050-3786-5797、ビジネスダイヤルを利用できない場合は050-3822-2811又は2812、証明書の請求手続に関する相談は最寄りの登記所へ問い合わせるようにしましょう。
特にパソコンの環境設定、電子納付の際の利用条件についてはあらかじめ確認することが必要です。添付ファイルの提出の場合はファイル形式に制限があるほか、変換ソフトのについても事前に注意事項を確認するようにしましょう。
手続きの処理状況を確認する場合は、申請番号と同時に処理状況確認番号が通知されます。かんたん証明書請求、供託かんたん申請の場合は処理状況照会画面から、申請用総合ソフトの場合は処理状況表示画面から到達ボタンをクリックして表示することができます。
登記ネットを上手に活用して時間もお金も節約しよう
登記事項証明書の発行が必要な場合や、印鑑証明書を求められた場合は、登記ネットを活用することでオンライン請求をすることができ、通常の窓口で受け取る方法よりも時間を短縮して安く発行することが可能です。
法務局の窓口は混雑していることもあるため、あらかじめオンラインで請求しておくことにより、必要な書類をスムーズに受け取ることができます。パソコンでの手続きが不安な方は、ナビゲーションによる解説もついているため、指示に従って入力することで、スムーズに請求処理を行えます。
登記ネットは利用時間も通常よりも長いため、仕事などで役所に行く時間がない方にとっても、とても便利なサービスです。登記ネットを上手に活用し、時間とお金を節約して必要な種類をスムーズに必要書類を受け取りましょう。